お付き合いで「株を持たれている会社」トップ300
東洋経済オンライン
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注目のコメント
かつて銀行が強かったころ、銀行は企業と株式を持ち合って、企業の経営を監視していたものでした。企業が倒産しない限り事前の約定通り利息と元本が返ってくる銀行その他の債権者は、成長より安定を望む存在です。それに対し、企業が成長するほど配当とキャピタルゲインが大きくなる株主は、安定性より成長性を重視する存在です。企業が銀行の監視を離れ機関投資家の監視下に入れば成長重視のガバナンスが効くと信じて銀行の株式持ち合いに対する批判が高まりました。事業会社同士でも、政策的に株式を持つ安定株主は物言わぬ存在で、成長へのガバナンスが効かないというので政策投資が目の敵にされました。だけど・・・
銀行が力を失っていずれにしても経営監視の役割を失ったのはともかく、政策投資の排除が本当に日本企業の成長力を高めたかどうか、聊か疑問に感じる昨今です。日本の場合、外国の機関投資家にせよ国内の投資家にせよ、中長期的な視点で企業の成長を求める監視機能がさほど効いているようには思えません。
企業価値の7割以上は中計等の予測期間を超えた未来の成長性への期待(≒継続価値)から生まれるものですが、安定株主を失って過度に株価を気にする経営者は、足元の財務諸表の数値の改善に血眼になって、企業価値を高める未来への投資を却って躊躇しているように思えます。時代の潮流に反することは承知の上ですが、政策投資の再評価も必要であるように感じています (^^;