2022/8/9

【解説】メルカリが40%成長でも喜べない理由

あのメルカリが、成長戦略を大転換?
8月8日、メルカリが2022年6月期の通期決算を発表した。
売上高を前年度比40%伸ばし、2018年の上場時と比べると、売上高を約4倍に引き上げる結果となった。
一見好調に見える業績だが、登壇した山田進太郎CEO(最高経営責任者)の顔はさえない。
そして、「2022年に入ってから、投資方針のアップデートを行った。『選択と集中』の考え方を大きく方針を転換している。」と語った。
メルカリに一体、何があったのか。
主要3事業のポイントをひも解きながら、メルカリの現在地をアップデートする。
INDEX
  • 40%成長にひそむ「異変」
  • メルペイ、収益基盤確立か
  • 国内メルカリの現在地
  • US事業の正念場
  • 問われる、山田CEOの舵取り
  • 今期のビジネスはどうなる

40%成長にひそむ「異変」

まずは、メルカリ全体の業績を見ていこう。
2022年6月期の売上高は、1470億円と過去最高を更新し、伸び率は前年比で39%増加となった。
一方、昨年、営業損益については、メルカリが初めて実現した黒字転換から一転、マイナス37億円の営業損益を計上した(前年度は51億円の黒字)。
この数値だけ見ると、メルカリは順調に成長しているように見える。