[ニューヨーク 3日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドル/円が上昇。予想外に良好な内容となった米経済指標に加え、米連邦準備理事会(FRB)高官による相次ぐタカ派的な発言がドルを支援した。

米供給管理協会(ISM)が3日発表した7月の非製造業総合指数(NMI)は56.7と、予想に反し、前月の55.3から4カ月ぶりに上昇に転じた。

複数のFRB当局者が3日、インフレ目標達成にコミットしていると表明した。2日もサンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁ら3人が、経済活動にブレーキをかけ40年ぶりの物価高に歯止めをかける水準まで利上げを継続する方針を巡り、FRBが引き続き「断固として、完全に一致団結している」ことを示唆していた。

フォレックスライブのチーフ為替アナリスト、アダム・バトン氏は「FRBは後退しつつある利上げ観測を押し戻しており、それがドルを押し上げている」と述べた。

5日に発表される米雇用統計が注目される。

終盤の取引で、ドル/円は0.6%高の134.05円。

前出のバトン氏は、円の「安全資産としての地位は低下している」と指摘。「ドルは成長の源かつ安全な避難先」とし、金融政策を巡る状況を踏まえると、今年のドルの伸びは確実という見方を示した。

ペロシ米下院議長による台湾訪問を巡る摩擦も、ドルへの追い風となったもよう。ペロシ氏は2日台湾に到着。3日に蔡英文総統と会談し、自身の訪台は米国が台湾を見捨てないことを明確に示すものだと伝えた。

主要通貨に対するドル指数は横ばいの106.40。

ユーロ/ドルは横ばいの1.0165ドル。S&Pグローバルが3日発表した7月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は49.9と、好不況の分かれ目となる50を昨年初め以降初めて下回った。6月のユーロ圏小売売上高は前月比、前年比ともに減少した。

ポンド/ドルは0.1%安の1.2145ドル。ロイター調査によると、イングランド銀行(BOE、英中央銀行)は4日の金融政策委員会(MPC)で政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げて1.75%とする可能性が高い。

ドル/円 NY終値 133.86/133.89

始値 133.36

高値 134.54

安値 133.15

ユーロ/ドル NY終値 1.0164/1.0166

始値 1.0187

高値 1.0209

安値 1.0124