[ブリュッセル 3日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が3日発表した6月のユーロ圏小売売上高は実質ベースで前月比1.2%減、前年比3.7%減と、予想を下回った。個人消費が低迷しており、下半期に景気後退に突入する可能性がある。

ロイターがまとめた市場予想は前月比横ばい、前年比1.7%減だった。

同時に発表となった6月のユーロ圏の生産者物価指数(PPI)は前月比1.1%上昇、前年比35.8%上昇だった。今後、消費者物価に一段の上昇圧力がかかり、需要が抑制される可能性がある。

6月はエネルギー価格が前年比で約2倍に上昇。ただエネルギーを除くベースでもPPIは前年比15.6%上昇しており、消費者の購買力に影響が出るとみられる。

小売売上高が最も落ち込んだのは非食品(自動車燃料を除く)。特に通販・インターネットを通じた売り上げが前年比12.5%減少した。

国別ではドイツの小売売上高が前年比8.8%減と、最大の落ち込みを記録。イタリアも2.8%減。フランスは0.6%増だった。

オランダは6.1%減、オーストリアは4.8%減、アイルランドは8.8%減、フィンランドは4.5%減。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、マイケル・トラン氏は、「6月の小売売上高の急減は、第2・四半期全体の売上高が縮小したことを意味する」と指摘。「購買担当者景気指数(PMI)でも物価上昇圧力が引き続き強まり需要が鈍化していることが示されており、家計支出は今後数カ月間は苦戦すると考えている」と述べた。