【基礎から理解】米下院議長の台湾訪問は、なぜ「大問題」なのか
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ペロシ氏とはワシントン時代に2度会ったことがあります。 中国政府を批判し有罪となり、服役中にノーベル平和賞を受賞した作家で人権活動家の劉暁波氏の授賞式に出席したり、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマとも積極的に面会したりしていました。2016年に会った際にペロシ氏は私が北京特派員時代に取材中に拘束された話に耳を傾けたうえで、「中国は我々の民主主義を根幹から覆そうとしている。今自由や人権を守れるかどうかの岐路に立っており、米国が率先して民主主義陣営をリードしていかなければならない」と語っていました。中国共産党に何を言われようがその信念を貫く。今回の訪台もそのことを具現化させたのでしょう。
ペロシ下院議長の台湾訪問が即軍事衝突に発展する事はないと見ています。
米台は非常に慎重に事を運んでいる印象です。
今回バイデン大統領と習近平国家主席の電話会談直後だったわけですが、ぎりぎりまで訪問日程を明かさなかったのはある意味中国側の”面子”に気を使ったと言えます。
台湾政府も公式発表は避け、中国側を刺激する事を避けようとしています。
台湾国防部は中国軍の主力戦闘機「Su-35」が台湾海峡を横断したという報道に対して、これを完全に否定しています。
マスコミ上はきな臭い報道が多いですが、私の周りも含め台湾の人々はいたって冷静に受け止めています。
逆に日本や各地の知人から”台湾は大丈夫か?”と次々と電話をもらったのには閉口しましたが。。。台湾を挟んだ米中の緊張がピークに達しています。
現状、最も恐ろしいのは「偶発的な衝突」ではないかと思います。米中双方が空母を展開していて、沖縄には空中給油機22機が待機。
すでに台湾総統府へのサイバー攻撃や禁輸措置も行われていて、戦争の前段・兆候のようなものは出始めています。そんな状況の中、今日はアメリカの「ナンバー3」を乗せた航空機が台湾を飛び立つわけです。
こういったニュースで「煽り」を挟むつもりは毛頭ありません。ですが今の状況は、一歩間違えれば戦争です。その「間違える」可能性は低いかもしれませんが、当事者はアメリカと中国というのも事実です。核大国であり、ウクライナのときと違って日本はほぼ確実に巻き込まれます。今日一日、台湾に最大限注目してニュースを追いたいと思います。
さて、この記事ではそもそもなぜペロシ訪台はそんなに大きな問題になっているのかや、今どれくらい危険な状態にあるのか、そもそも台湾問題って何?といったところまで、分かりやすく深くまとめています。ぜひご一読ください。
*追記:「中国軍の戦闘機が台湾海峡を横断した」という情報について、本記事作成後に台湾国防部が否定したため、表現を変更しました。