[1日 ロイター] - 米国株式市場は値動きの激しい展開となる中、反落して終了した。航空機大手ボーイングが上昇したものの、エネルギー株が下落し、全体を圧迫した。

米株は先週、米連邦準備理事会(FRB)が一部の想定ほど積極的に利上げを行う必要はないとの観測から堅調に上昇。予想を上回る企業決算も追い風となり、S&P総合500種とナスダック総合は7月の月間上昇率が2020年以来の大きさとなった。

この日はこうした最近の上昇を受けて慎重な見方が一部で広がり、S&P500はプラス圏とマイナス圏を出入りする展開となった。

FRBは利上げによってインフレと需要の抑制を目指すとしているが、一部の投資家はFRBの積極的な措置で失業率が上昇し、経済が打撃を受ける可能性があると懸念している。

グローバルト・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、トム・マーティン氏は「経済が難局を脱したかを巡ってはまだ多くの疑問がある。おそらく脱していないだろう」とし、「FRBの利上げによる(経済への)影響に関してはまだ程遠い」との見方を示した。

市場ではFRBの今後の対応を探る上で5日発表の7月雇用統計に注目が集まる。

米供給管理協会(ISM)が発表した7月の製造業景気指数は52.8と6月の53.0から低下し、2020年6月以来の低水準となった。ただ、市場予想の52.0は上回った。

世界的に需要が低迷し、中国の厳しい新型コロナウイルス規制で生産が影響を受ける中、アジアや欧州でも製造業の失速が示されている。

原油先物が需要を巡る懸念から急落し、エネルギー株を圧迫。S&P500エネルギー指数は主要11セクターの中で最大の下落率となった。エクソンは2.5%安。

一方、ボーイングは6.1%上昇。中型機「787ドリームライナー」納入再開に向けた検査・修正計画を米連邦航空局(FAA)が承認したとのロイターの報道を好感した。

複数の関係者によると、ペロシ米下院議長は2日に台湾を訪問する見通し。中国外務省報道官は、ペロシ氏が訪台すれば中国軍は「座視しない」と警告した。

米株式市場では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.1対1の比率で上回った。

米取引所の合算出来高は103億株。直近20営業日の平均は108億株だった。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 32798.40 -46.73 -0.14 32755.71 32972.03 32640.79

前営業日終値 32845.13

ナスダック総合 12368.98 -21.71 -0.18 12317.96 12499.72 12271.98

前営業日終値 12390.69

S&P総合500種 4118.63 -11.66 -0.28 4112.38 4144.95 4096.02

前営業日終値 4130.29

ダウ輸送株20種 14634.09 +25.09 +0.17

ダウ公共株15種 1023.91 -0.27 -0.03

フィラデルフィア半導体 2978.32 +11.18 +0.38

VIX指数 22.84 +1.51 +7.08

S&P一般消費財 1288.07 +6.56 +0.51

S&P素材 487.31 -4.00 -0.81

S&P工業 809.29 +1.01 +0.13

S&P主要消費財 782.83 +9.33 +1.21

S&P金融 555.04 -5.00 -0.89

S&P不動産 275.02 -2.47 -0.89

S&Pエネルギー 585.67 -13.07 -2.18

S&Pヘルスケア 1530.65 -11.23 -0.73

S&P通信サービス 191.74 -0.81 -0.42

S&P情報技術 2517.48 -5.13 -0.20

S&P公益事業 376.03 +0.38 +0.10

NYSE出来高 9.10億株

シカゴ日経先物9月限 ドル建て 27905 - 95 大阪比

シカゴ日経先物9月限 円建て 27885 - 115 大阪比