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異常な日本はいつまで経っても賃上げできない

東洋経済オンライン
7月26日、IMF(国際通貨基金)が世界経済見通し(WEO)の7月版を公表した。この見通しは年に4回改訂されるが、今回は”Gloomy and More Uncertain”(陰り見え、不透明感増す)という表題で、いかにも不景気そうな…
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日米経済の違いをマクロ経済学的に一言で示せば、日本は需要不足、米国は供給不足ということです。
これによって金融政策の差が生じており、結果としてそれが為替レートに反映されているということだと思います。
記事は「アメリカの失業率は、コロナ上陸後の2020年4月に前月の4.4%からいきなり14.7%に跳ね上がった」、「それから2年と少々。直近の失業率はなんと3.6%まで回復している。」と指摘しています。
他方、日本では「コロナ後の失業率はいちばん上がったときでも3.1%止まり。直近では2.6%であるから、変化は非常に小さかった」とも指摘しています。
付け加えれば、我が国では雇用調整助成金等のお陰で解雇を免れたが仕事のない、社内誌失業状態の休業者が一気に600万人に達しています。600万人といえば失業率に換算して約10%で、実は日本でも、米国並みに仕事は失われていたのです。雇用調整助成金を受け取るなどして社内失業状態にある人は平時でも100万人台いますが、それとても、平時から労働力が無駄になっていることを意味します。
その後の変化について記事は「アメリカ企業は、コロナを絶好のチャンスと捉えたのであろう。従業員の1割をリストラしたら、当たり前だが財務体質は強化される。当然、賃上げの原資もある。さらに言えば、全体の約1割に及ぶ働き手は、かなりの確率で仕事を変えている」、「コロナを契機とした労働市場のリシャッフルは、アメリカ経済の生産性を高めている公算が高い」と述べています。
片や、雇用調整助成金等で企業を保護する代わり解雇を規制する日本では、その後、企業が残業を減らしボーナスを減らし出向先を捜すなどして余剰労働力を吸収して行きました。当然、仕事が減った企業と産業から仕事が増えた企業と産業に人が移らず、賃金は低下して当然です。
かてて加えて中国を除く米欧アジアの諸国が感染しても気にしない、症状が出たらケアする方向に動く中、日本は検査体制を強化して陽性者を炙り出し、無症状の濃厚接触者まで待機させて経済活動を止め医療体制をいわば人為的に逼迫させ、更に検査を強化して陽性者を増やして医療体制を一段と逼迫させて経済活動を止める異常な悪循環に陥っているのです。
本気で賃金を挙げたければ、コロナ禍で再び明らかになった、企業を守って解雇させないことを旨とする雇用保障の弊害、安心を重視して却ってコロナ患者以外の死者を増しかねない対応、といった施策の裏にある、合理性の域を超えた異常な安全安心志向を抜本的に変えるほか無さそうに思います。悲しいかな無理でしょうけどね・・・ (・・;