2022/7/29
「地球より経済が大事」コンゴの油田売却が巻き起こす波紋
INDEX
- 世界の気候に甚大な影響
- 国際社会の「後退」
- 世界の「ダブルスタンダード」
- 補償を当てにするとばかを見る
- 油田開発が引き起こす危機
- 葛藤する政府当局
- ゴリラなど知ったことではない
世界の気候に甚大な影響
世界最大級の原生林をいくつも保有するコンゴが今、広大な土地を競売にかけている。国際社会が気候変動との闘いよりも化石燃料の奪い合いに熱を入れるなか、「石油産業の新たな投資先」になろうとしているのだ。
7月後半に競売にかけられる予定の油ガス田は、世界で最も重要なゴリラの保護区であるビルンガ国立公園や、膨大な量の炭素を蓄積して大気への放出を防いでいる熱帯泥炭地にも広がっている。
国際環境保護団体「グリーンピース」のキンシャサ支部で、コンゴ盆地の保護活動を監督しているイレーネ・ワビワは語る。
「これらの地域で石油の採掘が行われれば、世界の気候は破綻し、私たちはそれをなすすべもなく見守るしかないでしょう」
これまでの方針を一転させて、環境保護指定区域での新たな石油掘削を認めたのは、コンゴのフェリックス・チセケディ大統領。ほんの8カ月前には、スコットランドのグラスゴーで開催された気候サミットに出席したばかりだ。
同サミットでチセケディ大統領は、アマゾンに次いで世界で2番目に大きなコンゴ盆地の熱帯雨林を保護する10年計画を支持した。この合意には、世界で最も貧しい国の一つであるコンゴに対して最初の5年間で5億ドルの支援を行う内容も盛り込まれていた。
国際社会の「後退」
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