FRB、0.75%利上げ 通常の3倍 記録的なインフレ抑制優先
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いろいろな見方はあると思いますが、「『インフレは一時的』と見通しを間違えた」「政策が後手に回った」との批判を受けていたFedからすれば、まずはインフレファイターとしての姿勢を強く打ち出した上で、0.75%の利下げを「モデレート」に見せる、というのは、良く尽力されている方だと思います。
興味深いのは、ボードメンバーがそれぞれ自分の見方をどんどん話す傾向の強い米国が、コミュニケーションが相対的には上手くいっているように見えることです。さすがは合議制での意思決定に慣れている国という事かもしれませんし、不確実性の高い情勢では、シングルボイスによる情報発信は、これが裏切られた時のマイナスも大きい、ということかもしれません。ドル円相場が物語るように、市場は米国の景気後退を織り込んでいます。140円越えは今回の局面では難しくなったように思います。
日本では賃上げムードが広がる前に、グローバルな景気後退や物価高で、寧ろ実質賃下げとならないとも限らない。正にゼロ成長の国です。その時に多少、円が買われるでしょうが、それが円高不況というミスリードにつながる気もします。ナスダックは4ポイント以上の急騰、アメリカはFedsの市場対話も市場参加者もとにかくこなれているので、二回連続の大幅利上げも既に織り込み済み、むしろジェイパウエルのメッセージ「そろそろ利上げ幅は抑えていく可能性」の方を拾い、今回のインフレ協奏曲からのエグジットを市場は見ている。
このまま行けば結局底値は先月打っており、2020年7月までしか時計の針は戻らなかった、という事になる。が、果たしてまだ余談は許さないだろう。
特に、もはや当局の心の拠り所のようになっている労働市場が気になる。コロナにより様々な意味でガラッと変わったそれが、一時的におかしくなっているという事はなきにしもあらずでは。