日本が大量輸入する「木質ペレット」に重大な懸念

東洋経済オンライン
地球を救うエコ燃料なのか、健康被害を及ぼす問題燃料なのか――。発電用素材として日本でも利用が急激に増えている「木質バイオマス」をめぐって、生産工場が多くあるアメリカ南部では、健康被害を訴える声が増え…
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木質ペレット産業の一部地域では、人の健康被害だけでなく森林伐採による生態系の破壊も課題視されています。

木質ペレットは燃焼時に排出される二酸化炭素が樹木が成長する際に吸収した二酸化炭素のみとなるとうことで、クリーンなエネルギー資源とされていますが、森林の縮小や劣化を伴う場合には、健全な森林によるCO2吸収の機会を奪うであろうこと、さらには大量に海外から輸入される際のCO2排出なども指摘されています。

近年はどのような産業でも、環境や人権などの観点から、地域社会に配慮して製造されたものであるかどうかを可視化したうえで評価する動きがあり、このような課題を孕む生産地の是正の声は大きくなるでしょう。

国内の未利用木質バイオマスの活用については、この問題が関連しなくても拡大していくべきものとされており、日本の「森林・林業基本計画」にも盛り込まれていますが、こういった輸入木質ペレットがもたらす負のインパクトが課題視されるに従って、拍車がかかるということは考えられます。

一方で、大規模なバイオマス発電所は、やはり安定的に大量に調達できる輸入ペレットに頼らざるを得ない実態もあり、今後の日本のバイオマス発電の方向性や、利用・調達方針を根本的に議論していく必要があるように思います。
木質ペレットの生産過程で揮発性有機化合物や PM2.5、発癌性を持つ有害大気汚染物が出る

廃木材からは粉塵が出る

そして何よりバイオマスは大量の二酸化炭素を排出する