「サル痘」に備え 薬やワクチンなど整備進める 厚労省
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サル痘は体液・血液、病変した皮膚との接触が主な感染ルートです。これまでアフリカ地域に偏在していましたが、現在は欧州で蔓延しているほか世界に拡散していますので、日本で感染者がでても不思議ではなく、日本で医薬品の使用を許可するために簡易な手続きでの早急な薬事承認を目指していると思います。医療関係者へのワクチン接種は一部行われていますが、臨床試験としての管理下で接種しています。
今後日本で使用できるようになる可能性がある医薬品は以下の通りです。ワクチンに関しては日本で製造されていますが、ごく少量生産。抗ウイルス薬はこれからの入手手配です。
(1) 天然痘ワクチンのサル痘への転用
詳細は以下の記事へのコメントに記載しています。
「天然痘ワクチン『国内で備蓄』サル痘にも有効―後藤厚労相」(時事ドットコム 2022年5月27日)
https://newspicks.com/news/7115932?ref=user_1310166
天然痘ウイルスでのバイオテロへの脅威から、日本国内で少数備蓄していました。オルソポックスウイルス属のワクシニアウイルスを弱毒化して作成された生ワクチンと言われるタイプのワクチンです。天然痘自体の発生がないため、日本でも広く接種されていません。WHOが約1万人の患者を分析したところ、98.8%は男性(18~44歳の男性が症例の77%)で、感染者の多くは男性との性的接触のある男性であったため、広くワクチン接種を開始する前に、医療従事者やハイリスクの方への接種が検討されるでしょう。
(2) 抗ウイルス薬の国内での認可
詳細は以下の記事へのコメントに記載しています。
「サル痘感染者に天然痘の薬 投与可能な研究開始」(共同通信 2022年6月28日)
https://newspicks.com/news/7247255?ref=user_1310166
米国と欧州ではテコビリマット(tecovirimat)と呼ばれる抗ウイルス薬がサル痘治療薬として認可を受けています。 もともとは天然痘感染症の治療のために開発されたものですが、両ウイルスともオルソポックスウイルス属であり、サル痘ウイルス感染症に適用拡大(転用)したものです。テコビリマットはオルトポックスウイルス属に存在するp37タンパク質を標的にし、放出を阻害する作用を有する抗ウイルス剤です。天然痘のワクチンや治療薬は、危機管理医薬品(MCM: Medical Countermeasures)の最たるもの。
日本のMCM政策は必ずしも体系的に整備されているわけではないので、コロナやサル痘を契機に体系化が望まれる。ダイヤモンドプリンセス号への対応(特に橋本岳元厚生労働副大臣)で大失敗する、空港での水際対策は過剰なほど厳格なのに在日米軍についてはザル、感染が盛り上がる度に保健所業務がパンクする、等々といった今までの経験によって、どのような反省をして、そこから得られた教訓をどのように活かすのでしょうか。
そもそもコロナへの現在の対応を見る限り、反省も教訓も得られていないように思われます。不安。