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このところ、トルコのエルドアン大統領の存在感が際立ってきました。彼らはその地政学的位置を理解し、活かした動きをしている。この点は日本が大いに学ぶべき。また、今回の合意からは、国連のグテーレス事務総長の顔を立てたものでもあり、ロシアが国連に対し一定の価値を認めている、というシグナルが伝わってくる。単純に小麦の需給緩和というだけでなく、国際政治の力学が透けて見える、という意味で興味深い動きです。
ウクライナとロシアが合意したのではなく、
・ウクライナはトルコとの合意に調印し、
・ロシアはトルコとの合意に調印した
というのが正確です。
 合意文書も別々にあります(ウクライナ・トルコ間の合意文書とロシア・トルコ間の合意文書。ウクライナ・ロシア間の合意文書は無し)。

ウクライナがトルコと合意したのは、ウクライナが穀物などを輸出するのを支援する、ということです。具体的な支援内容などは特にありません。

ロシア政府は、ロシア側の合意文書に基づき、
・ウクライナは2週間の間、オデッサ州の港から穀物などを輸出してもよい
・ウクライナが海路で輸出入する物品は、ロシアの査閲を受けなければならない
と主張しています。

ウクライナが穀物などを輸出している期間、ロシアも穀物や肥料(ロシアやベラルーシ、ウクライナ国内のロシア軍占領地で生産されたもの)を実質トルコ経由で輸出することができます。
 ロシアがこの取引を順守して利益を得ようとするかどうか、で多少の変化があるかどうかは左右されます。

これまでだと、ウクライナが穀物を輸出したければ、ロシア海軍がいるウクライナ領海やロシア領海を避けて、ルーマニア方面まで陸路で運び、ルーマニア領海を通って海路で運ぶ、という輸送方法です。オデッサ州から直接海路で輸出するというのがうまくいかなければ、これまで通りのルートを使うことになります。
海路封鎖という物理的な面だけでなく、輸出に関するインターネット上の船舶のオペレーションも監視されるでしょうか。穀物輸出再開で、サイバー戦争の側面も改めて注視したいところです。
合意はできたけど、実効性に不安が残るということでしょうか?

穀物輸出を妨害して多数の餓死者が出たりしたら、ロシアは世界中を敵に回すことになります。

さすがにそこまでやらないと信じたいですが…。
ロシアは小麦世界第一位の輸出大国、ウクライナは小麦世界第5位、トウモロコシ第4位の輸出大国でしたから、再開されればインパクトは大きいです。
食糧危機は政情不安を飛び火させることになるので、円滑に履行されるように願います。ロシア側にどんな利益が提示されたかも気になります。
戦争中に穀物輸出の再開合意は簡単なようで簡単でない合意だったと思います。これが戦争終結と言わないまでも停戦合意の一歩になって欲しいです。
穀物の価格が世界中で値上がりしていたので、発展途上国フィリピンにいる私はとても嬉しいです。
穀物不足からの各種値上がりは日本国内でも深刻なものでした。今後世界の食糧事情が少しでも良くなればと思いますし、日本では10月の小麦売り渡し金額がどうなるかも注目です。
日本がビルマを占領した第二次世界大戦中のベンガル食糧危機時は、チャーチルは放置し大量のインド人餓死者が出たと伝えられていますが、今回の対応は英国よりはましですね。
停戦で合意してしまえば良いのに