「分業化した営業組織がうまく回らない」──SaaS企業の課題、セールスフォース流の解決策は
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前置きとして、私が執筆した「THE MODEL」はこの手の記事で紹介されている「The Model」の図の説明ではありません。日本に導入する時に作成した原型のスライドは存在しますが、それはこれらのKPIを管理することが目的ではなく、個人の役割が明確に定義されていないためにどこに課題があるかわからない状態だったのを、役割の定義とそれに合わせた個人の評価制度を作るというコンセプトを説明するものでした。この記事でも数字を多面的に分析するアプローチについて紹介されていますが、例えば受注率が悪化した場合、その背景にはいくつもの原因が考えられます。件数ベースと金額ベースのどちらが悪化しているのか。大きな商談だけ失注しているのか、全般的に落ちているのか。特定の競合に負けているのか。以前は受注率が高かった営業も落ちているのか新規採用したメンバーの立ち上がりが遅いのか。どの商談フェーズで失注しているのか。マーケ、パートナー、営業など商談作成ソース別で差はあるのか。上司の指示で動いていない商談を一気に整理したために失注が増えたのではないか。商談を作れと指示されて、まだ柔らかいものも商談化したのではないかなど、受注率悪化一つを取っても想定されるシナリオはいくつもありますし、営業部門以外のところに問題があるケースも多々あります。原因を正しく特定しないと、間違った対策を打つ事になりますし、原因を正しく特定するためには、全体を俯瞰できる力、数字から何が起きているかを想像する力、人がどういう行動原理で動くかという事に対する理解が欠かせないと思っています。
自分の解釈としては、「正しく情報管理ができ、自由に情報を引き出すことができる環境がある」という前提の上で、ターゲティング精度と営業活動の適正化をするためにこのモデルがあるのかなと思っています。情報基盤が整っていない状態、つまり属人的な状態でやっても意味ないすよね。
でも元営業としてはヨミとか情報入れるのってめっちゃめんどくさかったすわKPIを追い続ける各チームの動きをセールスストラテジー部門がデータ分析をもとに客観的にモニタリングするというのは現実なかなか難しそうですね。ただそこでの議論は過去の分析ではなく、未来の商談を分析するというところに重きを置いていることで理想からの逆算ができているのかなと思いました。