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【論考】凶悪事件の背景を「一歩引いて」考えてみる

NewsPicks編集部
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    慶應ビジネススクール 教授

    シンガポール在住の卒業生と話す機会があったのですが、彼女からすると「(大掛かりな組織的犯罪ではなく)その辺の個人が思いついて首相を暗殺できるって、日本やばくないですか?」


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    株式会社BookBase CEO

    今回の事件を切り取って賢しげに分析してわかった気になるのは、そもそもが危険なことではないかと思います。

    本件については、現在すでに公になっている情報から考えれば、宗教団体に過剰に入れ込んでしまった母親に端を発し、どうしようもなくなった個人がたまたま日本中が油断していた状況での凶行が成功してしまったという、紛れもない悲劇でしかないです。

    これを結果論ありきで、宗教団体が悪であるや、そもそも個人が救われない分断構造が悪い、要人に対しての警備が甘いなど、すべての事に対してそう言えてしまう話でもあります。

    こういった凶行に及ぶ人間をどうやって作らないのかなどいくら議論をしたところでそれ自体がメディアにとってはただのネタでしかないです。
    本当に解決をするのであれば、すべての人間を歪みないように導くという話になりますし、残念ながらそれは今の人類には不可能だと思います。

    どうしたところで、社会のどこかで理不尽に合い、涙を流している人間はいます。
    まずは、それを正しく認識すべきです。

    そして、残念なことに人が人を救うことは本質的にできないということも理解しないといけない。また同時に、絶望する人間を減らすことができないのかを考える必要があります。すべてを解決できるウルトラCを探すのではなく、人が今何に絶望しているのかを理解し、それを減らす努力を地道にすることが、本当に必要なことこであり、メディアでは言われない面白みのない答えなんでしょう。

    メディアや政治家、あらゆる社会的ポジションを獲得できている人間は、自分たちの足元がどうなっているのかを直視して行動しなければ、いくらでも起こり得るくらい、すでに社会は危うい状況にあるってことではないのかと思います。


  • 東京大学 中国思想文化学研究室助教

    列挙されているいずれの事件も、実行犯が精神的・経済的に充実した生活を送っていれば起こらなかった可能性は大きいです。従って、経済的には矯正的正義の割合を見直すことと、精神的には信頼に基づく互恵性を恢復することという処方箋は、説得力があります。

    とりわけ信頼があるということは、社会を成り立たせる上で大変重要なことです。
    古くは『論語』顔淵篇でも、為政で重要なこととして食・兵・信を挙げ、「民無信不立(人々は信が無ければ存立しない)」として信が最も重要であると説いています。
    また周作人「礼之必要」でも、互いに尊重し、譲り合うことが社会的コストを下げることを指摘しています。(http://home.netyou.jp/88/iton/zhouzuoren6.pdf のp.11-12に伊藤徳也氏による訳文があります)

    日本にも「お互い様」という古くさい言葉がありますが、意外と大事な内容を含んでいます。他者を助けることで直接的な見返りがなくても、自分がどこかで別の人に助けられていることを考えれば、それで良しとするという発想は、まさに信頼に基づく互恵性と言えるでしょう。
    助けを必要とする人に助けが行かないのは、社会の機能不全であり、論外です。その人からの見返りの有無と関係なく、助けが届くべきです。
    一方、自分は他者を助けないでおいて、必要に応じて別の人からの助けは得る、というのは「コスパの良い」やり方ではあります。しかし、全員がそれをやると助け合いは崩壊し、それぞれが深く孤立した社会になります。つまり、個々人が自分のコスパの良さを追求すると、全体としては却ってコスパが悪くなります。
    余裕のない人はいつか余裕ができた時に、余裕のある人は今できることをして、助け合いの輪を回して行くべきです。

    人文系とりわけ思想研究系の学術が軽視されるようになって久しいですが、
    互いに信頼しあい、助け合い、孤立や分断を和らげるために、今こそ実践的な倫理学が必要であるように思います。


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