【見解】安倍元首相、銃撃。専門家たちはこう見る
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注目のコメント
多くの人がこの国の未来について考え、語りあい、意志を示す選挙期間において、このような暴力的行為はいかなる理由であっても許されませんが、実際、暴力行使の危険性と現状変更の可能性のリアリティがぐっと増したと感じる人もいるのではないでしょうか。
今後の言論空間が心配です。
声を上げるのが怖い社会になってほしくない。
誰もが安心して自分の考えを示し、対話によって社会を前に進めることのできる民主主義社会を例えばテクノロジーの活用によって構築していくような選択肢が増えるといいですね。
ネット投票の解禁や、ネット演説など、安心して候補者、有権者が意思表明のできる多様なあり方を急がないとといけないかもしれません。またSPについても、警備の機能をテクノロジーによる監視と異常察知、人間による異常対応・警察連絡、とより分業していく必要があると思います。本件、報道を見るに「民主主義への挑戦」ではなくある種の逆恨みのように感じます。そういう意味では京都アニメ会社放火事件や北新地のメンタルクリニック放火事件とも重なる部分もあります。
大きな話で言えば先進諸国で議論が進む「孤独」が関わっていると思いますが、優先すべき議論は、SPに全て頼るのではなく中東の空港などで実験的に取り入れられている、犯罪者の怪しい動きをAIが感知するようなテクノロジーの導入などのハード面の議論、その次に、中長期的に社会が孤独にどう対処していくかという議論だと思います。
あまりに犯人の心の闇に焦点が当たり過ぎる「心でっかちな議論」よりまずは効果的な再発防止策が優先だと思います。安倍元首相には心よりお悔やみ申し上げます。鈴木一人先生
>フェイクニュースや、そこからくる印象論に基づいて敵と味方をはっきりさせ、対話の可能性を失わせるような言説が多くなっています。
>アメリカではメディアが中立性を失っていますし、日本ではSNSが非常に強大なため、こうした状況を加速させているように思います。
まさに。
1960年代から、グループでの意思決定の場で集団極性化(集団分極化)が起こりやすいことが指摘されていましたが、インターネット空間では同じ考えを持った人が繋がりやすく、集団極性化がより顕著になりやすい傾向があります。
特にSNSでは、お互いに趣味嗜好が似通っている人がフォロー・リフォローし合う性質があるため、自分と似たような言説にのみ触れやすいです。自分が発した意見と似たような意見が返ってくる「エコーチェンバー現象」も問題視されています。
一方、自分と異なる意見の人をリプライなどで一斉に攻撃するのも、集団極性化の一種で「サイバーカスケード」という現象の表れだと思います。カスケードとは滝のことで、人々がある一方向意見に流されていき、それが最終的には大きな流れとなることで、アメリカの法学者・サンスティーンが提唱した考えです。
キャス・サンスティーン『インターネットは民主主義の敵か』
今回の事件ではっきりしましたが、定期的にSNS断ちをして、直接腹を割って話せる人と話すことが必要ですし、こういう時のために不安を吐露できる相手を持っておくことがとても大切だと思います。集団極性化を防ぐためにも、自分の心を守るためにも…。