「黒字経営だから問題ない」が見落としているもの
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利回り3%の金融商品を買うために金利8%でお金を借りる人なんていませんが、これが会社経営となると、この例と実質同じことをやっている経営者が上場企業ですら多数います。
たしかに資本コストは見えにくいですが、ゼロということは決してありません。資本コストを上回るリターンを出すという緊張感のない経営者は株主から信任されないのです。
長期で大きな超過リターンを出すという意思を持って先行投資した結果、目先で資本コストを上回るリターンを出せないこと自体は問題ありませんが、単にPL上は黒字だから問題ないなどと決して思わぬように。
注目のコメント
株式の持ち合いが一般的でメインバンク制度が生きていた時代には、内部留保のコストはゼロで、外部調達した株主資本のコストは配当だけというのが日本の経営者の常識でした。流石に最近は変わってきたようですが、今なおそうした意識を持つ化石のような経営者がかなりの程度残っているのは確かです。その時代を銀行員として生きて既に古稀を迎えたオジンが言うのだから間違いありません (^^;
資本のコストはリスクプレミアムにβ値(市場の変動幅に対する株価の振れ幅)を乗じた数字をリスクフリーレート(10年物国債として0.25%)に加算したものですが、日本の場合、リスクプレミアムは5~5.5%とくらいと見る向きが多いので、β値を1と見ても資本コストは5%を超えるはず。ベンチャー的な要素を持つ企業なら、これにノンリーズンで数パーセント上乗せされることもありそうです。
たとえ黒字でも、十分な事業投資機会が無くて5%のリターンの金融商品を買って持つくらいなら、資金を株主に還元した方が良さそうです。そもそも市場にある誰でも買える金融商品のリターンが、企業に出資する投資家の期待リターンを超える筈がありません。フムフムと納得です ( ..)φメモメモ株主資本コストの重みは自分で資金調達していればリアルに株主の顔が思い浮かぶので「黒字だから問題ない」とは口が裂けても言わないと思います。
一方でサラリーマン経営者や幹部社員くらいだと全く顔が見えないので言いそうな気もします。
株主の期待収益率を下回っている企業がもっとプレッシャーを受けるには「恥ずかしめる」のが有効だと思います。エリートは恥ずかしめられる経験が少ないので、1番効きそう