(ブルームバーグ): 半導体材料や自動車部品を手掛ける昭和電工は、原材料価格の高騰が止まらない中、一部製品の値上げと同時に生産縮小や撤退も進めている。染宮秀樹最高財務責任者(CFO)がインタビューで明らかにした。

染宮CFOは、ウクライナ情勢やサプライチェーンの混乱などの複合要因により、原材料価格は今期(2022年12月期)の予算を作った時と「比べ物にならないほど上がってきているものが幾つもある」と述べた。

一方、汎用化が進み、かつ競合がシェア向上のために値上げをしていない製品については、「供給を断念したり、製品を撤退したりするものが部分的には出ている」と述べた。

対象製品の詳細の説明は控えたが、高機能材料領域だという。限界利益率の回復が見込めるか否かを撤退の判断基準としており、年内に一定程度取捨選択していく方針だ。

同社の株価は5日、続伸して一時前日比2.2%高の2277円まで上昇した。年初来では7.3%の下落となっている。

同社は今年に入り、原料や電力コストの高騰を理由に塩素化ポリエチレンや苛性ソーダなどの値上げを相次いで発表している。

染宮氏は「少なくともウクライナ情勢に基づく原材料高は高止まりがまだ続く」とみており、顧客の承認を得た上で、原材料価格が上がっている製品の原材料比率を下げて限界利益率を上げる取り組みも進める。

染宮氏は顧客に適正な価格を払ってもらうことで研究開発に注力することができ、長期的なウィンウィンの関係が築けるとし、原料高の上昇分だけでなく、製品の付加価値分も含めた戦略的な値上げをしていくべきだとの考えを示した。

業績への懸念は原材料高だけではない。染宮氏は「円安に起因する原材料コストのインフレ分のインパクトのほうが為替差益分より大きいので、あまり望ましい水準ではない」と述べた。

中国市場も不透明だ。上海などのロックダウンで4、5月はサプライチェーンや物流に影響が出たのに加え、「ロックダウン(都市封鎖)の影響で落ち込んだ部分が元に戻るか、スマホ需要が縮小しているように需要がピークアウトしてしまうものが出てくるのか、その辺りを慎重にみないといけない」と説明する。

染宮氏は米JPモルガン・チェースやメリルリンチ日本証券(現BofA証券)で企業の買収・合併(М&A)業務に携わり、ソニーグループでは半導体事業のCFOなどを務めた。

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