[ワシントン 29日 ロイター] - 米商務省が29日発表した2022年第1・四半期の実質国内総生産(GDP)確定値は年率換算で前期比1.6%減り、5月に発表された改定値の1.5%減から下方改定された。市場予想は1.5%減だった。21年第4・四半期は6.9%と堅調だった。

22年第1・四半期のGDPがマイナス成長になったのは、過去最大となった貿易赤字が重しとなった。供給網の混乱と労働者不足が響き、企業の在庫蓄積ペースが活発だった前期から鈍化した。一方、内需は好調だった。

貿易、在庫、政府支出を除いた国内民間需要は3.0%増。前回発表では3.9%増えていた。

4月に個人消費が加速し、前期の景気低迷から回復したように見えていた。

企業の設備投資は5月まで堅調に推移。一方、輸出が過去最高となり、財(モノ)の貿易赤字は大幅に縮小した。

ただ、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ対策のために積極的な金融引き締めを進めたことで景気後退の懸念が高まり、景気回復は勢いを失っている。

5月には小売売上高が減り、住宅着工戸数と建築許可件数も減少した。6月の消費者信頼感指数は16カ月ぶりの低水準となった。