[サンアントニオ 28日 ロイター] - 米テキサス州で熱波の中で放置された大型トレーラーの中から不法移民とみられる遺体が多数発見された事件で、当局は28日、少なくとも51人が死亡したと発表した。メキシコ側から密入国したばかりとみられており、関与の可能性があるメキシコ国籍の容疑者2人が米国で起訴された。

遺体はテキサス州サンアントニオ郊外で27日に発見された。死者のうち39人は男性、12人が女性で、移民の密入国では近年で最も多くの犠牲者が出た事件の一つとなった。

裁判所資料や米当局の話によると、被告2人は米国に不法滞在中に銃器を所持した罪で起訴された。メキシコ当局者によると、トレーラーを運転していた米国人は入院中だが、起訴される見込み。

トレーラーは鉄道線路の近くに放置され、現地の気温は摂氏40度に迫っていた。

バイデン大統領は28日声明を発表し、「恐ろしく、悲痛な」事件と強調。「利益のために、脆弱な人々を搾取することは恥ずべきことだ」と非難し、密入国のあっせん業者を取り締まると強調した。

死者のうち27人以上がメキシコ人、3人がグアテマラ人、4人がホンジュラス人とみられる。3国の当局が明らかにした。

米税関・国境警備局(CBP)の高官らによると、トレーラーには約100人の移民が乗っていた可能性があるものの、正確な数字は不明という。

米・メキシコの当局者によると、移民は最近メキシコから越境し、トレーラーで働く場所に連れて行かれるところだったもよう。

バイデン政権にとって不法移民流入の抑制は難しい課題となっている。