米「女性に出産強要するな」 各地で抗議デモ
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「女性に出産強要するな」は、デモ行進をしている女性のメッセージではありますが、根本的な問題は、女性のリプロダクティブ・ライツ=自分の身体に関することを自分自身で決められる権利が、連邦レベルの裁判で剥奪されたことです。
米国メディアは、今回の判決をSupreme Court overturns Roe v. Wade =”最高裁、ロー対ウェイド裁判を覆す”と言う見出しで報道しています。
要約すると、1973年の画期的な事件、ロー対ウェイド裁判において、最高裁はプライバシーと自由という憲法の基本原則を、女性の妊娠中絶の能力に適用した。ロー判決では、憲法上のプライバシーの権利には、中絶をするかどうかを決める女性の権利も含まれるとしたと言う事です。
それに対して最高裁判事のサミュエル・アリート氏は、「ローは最初から明らかに間違っていた」と多数意見で書いている。「その理由は極めて脆弱であり、この判決は有害な結果を招いた。そして、ローとケーシーは、中絶問題の全国的な解決をもたらすどころか、議論を燃え上がらせ、分裂を深めてしまった」。
一説によると、命の定義やプライバシーに関しては憲法上に謳われていなかったとも言われており、多分判事はここを指していると思われます。
結局のところ、米国憲法の脆弱性があらわになった形となり、女性の権利が剥奪されたどころか、多くのプライバシーを含む、男性も含む個人の権利の定義があやふやになる結果となっています。だからこそ、男性もデモに参加しているし、妊娠中絶を初めから反対していて人達も、地域によってはデモに参加しているようです。
特に米国では、BLMの世界的広がりから、個人の権利に関する問題が、以前以上に広がるようになり、分断が見られるようになりました。実際には私も30年間米国に在住していましたので、そう言った分断は自分自身が体感していましたが。
ただ、あくまでも私見ですが、最高裁の決定はRoe v. Wadeの、内容の脆弱性なので、今後の展開いかんでは、再度覆される可能性もあるかと思っています。
確かに、Roe v. Wadeに関する当時の内容を要約した文献を読むと、確かに脆弱と思える部分も多々あります。本来の米国の姿をもう一度取り戻してほしいと心から祈るばかりです。
注目のコメント
問題は、行為は男女のものでありながら、男性は身体やその後の人生が180度変わる負担を強いられない一方で、女性の負担はあまりにも大きい、という不平等から生じます。
もちろん、女性でも中絶反対の人もいるでしょうが、ある意味他人事の男性が入ってこの問題の法律を決めること自体がおかしい。
今回の問題の根本にある◯◯教を考案したのも男性です。