中国、フィンテック企業の健全な発展促進へ-習氏主宰の会議で承認
コメント
選択しているユーザー
昨今の中国政府のテック企業への締め付けの結果、例えばTikTokは中国で機械学習を用いた動画の表示ができなくなっています。
政府が胸先三寸で、規制を締めたり緩めたりする状況の中で、企業が健全に活動を行うのは難しいだろうなと想像してしまいます。
注目のコメント
内容自体は、特に今年に入ってから党指導部が繰り返し主張してきたことであり目新しさはありません。経済成長率の目標達成が容易であった2021年(6.0%以上の目標に対し、結果は8.1%)は「改革」の年に当たり、市場をめぐるルールの再構築や秩序の再整備が大々的に行われました。日本で「規制強化」と呼ばれているものです。
一方、経済成長率の目標達成が容易ではない2022年(目標5.5%前後)は「成長」の年。当局は、「市場を委縮させる政策を打ち出すことには慎重であれ」と呼びかけ、とにかく景気を支えるための政策を、中央も地方も打ち出しています。「規制強化」には当然慎重になり、むしろ「緩和」さえも促していくでしょう。フィンテック業界の「健全」な発展を促す、もこの文脈で理解できます。
習近平総書記の同会議での該当発言は以下。新華社報道の原文から翻訳、引用します。
「オンライン決済、フィンテック分野の大手プラットフォーム企業が本来の形態に回帰するのを促していく必要がある。監視監督をめぐるルールを健全化し、制度的欠陥を補足し、オンライン決済、金融インフラの安全を保障し、潜在的システミック金融リスクを緩和、防止していく。プラットフォーム企業が実体経済に奉仕し、国内海外双循環を円滑にするといった分野でより大きな役割を果たすのを支持する」
中国共産党にプラットフォーム企業・経済を抑圧するほどの余裕はありません。一方、十数億の消費者が利用する同企業・経済の影響力は計り知れず、党としては、経済社会の主導権を掌握するという観点から、”脅威”に感じてきたのは事実でしょう。政治と市場の攻防は続いていくものと思われます。肝心なのはそのプロセスが公正かつ透明であるか否かだと思います。