[ロンドン 20日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会のキャサリン・マン委員は20日、ポンド安が英国のインフレ圧力を高めているため、これまでより早く利上げを行うべきとの見解を示した。MNIマーケットニュースのイベントで講演した。

同委員は「より強力な政策対応は、すでに進行中の国内インフレが、ポンド安を通じた輸入インフレによってさらに押し上げられるリスクを減少させると考える」と述べた。

イングランド銀行は16日、政策金利を0.25%ポイント引き上げ1.25%とした。マン氏ら3人は0.50%ポイントの引き上げを主張した。

マン氏はこの日の講演で、高インフレが定着し持続する兆候があり、政府の家計支援策を受けてその勢いが一段と増していると指摘。英中銀は積極的な政策アプローチを取るべきとし、ポンド相場を押し上げると同時に、インフレを抑制するため短期的に一段と積極的な利上げを行う必要があるとの考えを示した。

一方「国内需要の下支えが弱まり、外需も鈍化した場合には、中期的には政策金利を反転させる可能性もある」とも述べた。

米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)の利上げがポンドに対する一段の下押し圧力につながり、インフレ圧力に拍車をかける可能性がある。

中銀金融政策委員会でマン氏の前任だったブリハ元委員は質疑応答で、FRBの金融政策、英ポンド相場、インフレの相関関係が英中銀が政策を調整する必要があるほどに力強いか疑問を呈したほか、英中銀が長期的な中立水準を超えて金利を引き上げると明確に示すことは有益との考えを表明。

マン氏は、インフレが急上昇する中、消費需要がどの程度回復力を示すか金融政策委の見解は分かれていると指摘。ただ、家計がパンデミック(世界的大流行)の間に蓄えた貯蓄を消費に回す中、短期的には企業は価格決定力を維持できるとの見方を示した。