ECB総裁、今夏の2回利上げ方針を堅持 7月25bp上げ明言
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ユーロ圏はこれから試練。今回のように、高インフレと景気鈍化懸念で揺れ動く中、国毎のインフレ率の格差も財政危機後最大級に拡大している。バルト三国など高インフレ国のインフレ率は9%台で、このペースでも引き締めは追いつかない。一方、その他の低インフレ国では、むしろ景気鈍化が懸念され、どこにどうウェイトを置くべきか、非常に悩ましいところでは…
世界史上最大の通貨連合の正念場です。
注目のコメント
大槻さんが取り上げた域内のインフレ率格差が為替レートで調整できない以上、金利の違いでストレスを逃さざるを得ないことになってしまう点でも、インフレとfragmentationの問題は相互に関連しています。
一方で、インフレ率の格差が財やサービスの輸入先や輸入品の構成の違いに起因するとすれば、これは統一的な金融政策では如何ともし難い面があります。それでは各国の財政政策に対応を委ねるとすれば、焦点を絞った政策であっても、既にコロナ対応で財政が悪化している国々には負担がかかります。
ECBが金融政策を中立水準まで戻すことには意味がありますが、NGEUのようなEUによる財政移転の仕組みを活用することが望まれます。昨日はラガルドとレーンという2人の重要人物が25bpsを決め打ちしたうえで9月はもっと上げる、といった意思を表示しています。が、分断化対応に関しては再投資の前倒し実施という話もあり、BSはこの場合膨らみます。利上げと分断化対応は趣旨が違うわけですが、引き締め的な対応と緩和的な対応を並行して走らせる難しさも当面の課題と見られるでしょう。