米中首脳、「近く」会談 バイデン氏、見通し示す
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先日(6月13日)にも、楊潔チ・中央政治局委員とジェイク・サリバン米大統領補佐官がルクセンブルクで会談しています。米中首脳部として、人権、通商、台湾など二か国間の問題、およびウクライナ情勢など他地域での地政学的問題をめぐって両国関係が複雑化、緊迫化する中、それでも外交関係を決裂させることは国益に叶わないという政治的意思を見て取ることはできます。
ただ、仮に近い将来に首脳会談が行われるとして、それでも2021年1月、バイデン氏が大統領に就任して以来3回目。習、バイデン両氏が国家副主席、副大統領の頃から仕事の関係を構築してきた、ある意味”旧知の仲”である経緯を考えれば、少なすぎます。コロナ禍で、テレビや電話など、会談をセッティングしやすくなっている状況下であるにもかかわらずです。それだけ、米中が緊張関係にあり、相互不信が拭えず、特に、あらゆる問題で「米国こそが黒幕」と信じて疑わない習近平氏は、安易にバイデン氏と会談できないと思っているでしょう。国内政治的に足元を救われるリスクがあるからです。
両首脳はいずれも秋に党大会、中間選挙を控えますが、今回の会談はその辺のアジェンダも念頭に置いた上で、互いの言い分をぶつけ合うものと思われます。妥協点を見出すのは容易ではありません。カギになるのは対中関税の扱いだが、インフレが進む中で、さらに物価高の要因になる関税をかけ続ける意味がよくわからない。結局、トランプが目指したデカプリングなどできないことは明らかなんだし…。