【読書】難解な「現代思想」を人生に活かすための超・入門書
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今週の10分読書は現代思想についてです。
哲学は専門用語などもあり、なかなか近づきにくく感じてしまいますが、現代思想は「差異」に着目する思想であることから、コロナなどで秩序化が強まった今の社会で改めて学ぶべき考えだと思いました。ある程度の予備知識がなくても読めると感じた超入門書です。今回まとめられている概念、存在、社会の脱構築は同書の前半にかかれていますが、ここだけでも読めば、読後の世界が少し変わった姿で見えてくるかもしれません。
大陸系哲学のフランス現代思想をDéconstructionやdifférenceで切り取るとこうなるのか。要約の限界なのかもしれませんが意味不明ですね。著者のインタビュー(パロール)の方が分かりやすいです。
https://newspicks.com/news/7150075
個人的には、新実在論の大陸系と英米系の比較をしつつ、最新の物理学から導き出される実在論からの批判に耐えられるものが必要なんじゃないかなと思ってます。この辺りの実在に対する認識の違いはは、心の哲学の汎心論にも現れているようで、唯物論と観念論のように二項対立をさせたところで波と粒子なんだと言って分かった気になるのと一緒なのではないかと思います。
まぁ大家の主張を批判的に乗り越えることで現代哲学のスターが生まれるのが常なので、こうして誰に立ち戻るのかはセンスや信念を問われますね。となるとやっぱりベルクソンが気になります。ドゥルーズなどはベルクソニズム著してますし。
英米系の分析哲学は堅苦しくて好きでは無いのですが、主張やアプローチは分かりやすいです。パースのプラグマティズムはキチンと理解されていないように感じはしますが。
またフランス現代思想は同じ大陸系と言われる、ドイツ哲学とは離れて行ったことが表層的に見えてしまうのかもしれません。ドイツといっても色々ありますが、マルクスガブリエルなどはカント、フッサールやハイデガーの匂い漂わせたドイツ的新実在論だと思います。
結局はプラグマティックでも無く、もっと言えばリアルでは無かったんでしょうね。超越論的経験論と言ってみても、超越しようとすること自体が形而上学的ですし、差異(différence)を徹底的に追及した先に情報産業という効率的な資本主義を牽引する力は無く、環境を外部経済化した現代消費論に留まりました。