2022/6/13

【サイゼリヤ創業者】それでも我々は「値上げ」をしない

「いまは絶対に、値上げをしちゃあダメですよ。なぜなら…」
お店を始めてから55年。
多産多死の外食業界を生き抜いてきたサイゼリヤ創業者の言葉は、シンプルながら深い経営哲学に裏打ちされていた。
サイゼリヤ創業者の正垣泰彦氏。初めてNewsPicksのインタビューに応じた。
ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、あらゆる食品の原料が高騰し、食べ物の値上げが止まらない。
国内では値上げラッシュがメディアの紙面を賑わせ、世界では新興国を中心に食糧危機が叫ばれるようになった。
日本で「食にありつけない」ケースはほとんどないが、所得が増えない中での価格高騰は、生活を確実に苦しいものにしていく。
帝国データバンクの調査によると、2022年の食品の値上げ数は5月末時点で1万789品目、7月以降に4504品目の値上げが予定されているというから凄まじい。
値上げはもはや業界のコンセンサスで、消費者の間にも諦めムードが広がっている。
そうした中、「絶対に値上げをしない」と公言するのがサイゼリヤだ。
値上げラッシュの食品業界にあって、ミラノ風ドリア(300円)もマルゲリータピザ(400円)も据え置きのままで勝負するという。
なぜ、「値上げをしない」と断言するのか。NewsPicksは創業者の正垣泰彦会長を直撃した。
76歳の創業者の言葉には、あらゆる業界に通じるビジネスの本質が詰まっている。
INDEX
  • だから私は「取材を受けた」
  • サイゼリヤは「値上げ」をしない
  • 「安すぎる」のもダメ
  • 野菜の「種」から自前で開発
  • 「食事と心と懺悔」のはなし

だから私は「取材を受けた」