[イスタンブール 29日 ロイター] - トルコのエルドアン大統領はフィンランド、スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟申請に関して2カ国と開いた協議は「期待した水準」ではなかったと述べ、反対の立場を改めて示した。国営トルコ・ラジオ・テレビ放送(TRT)の「TRTハベル」が29日に報じた。

28日にアゼルバイジャンからの帰途に記者団に語ったという。「タイップ・エルドアンがトルコの元首である限り、テロを支援する国々のNATO入りに『イエス』とは言えない」と述べた。

関係筋は先に、25日に開かれたフィンランド、スウェーデンの代表団との協議はほとんど進展がなく、追加協議が行われるかどうかも明らかではないと述べていた。NATO拡大には加盟国の全会一致の合意が必要。

北欧2カ国についてトルコは、自国の武装組織であるクルド労働者党(PKK)など同国が指定するテロ組織に関連のある個人を支援していると主張。2019年に両国がトルコへの武器輸出を停止したことも加盟反対の理由に挙げている。

2カ国は「正直でも誠実でもない」とし、NATOは安全保障組織のため、「テロリストを受け入れ、養っている国々に関して過去の過ちを繰り返してはならない」と強調した。

スウェーデンのリンデ外相はロイターに、「外交努力が続いているが現時点でさらなるコメントは控える」と電子メールで述べた。