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サル痘は現在までのところ、比較的若い男性に多く報告されています。性交渉に関連した感染伝播の報告が重なっており、典型的なサル痘の症状と異なり、1)発熱や悪寒といった先行症状が目立たず、2)頭部から発疹が出て広がるのではなく、性器や肛門の周囲から発疹が出現する、といった特徴が記述されています。

典型的な症状であれば、発熱や頭部の発疹などといった比較的分かりやすい症状により、感染したことが明らかになりやすいと思いますが、こういった症状の出現のしかたの違いも、感染が広がる一因を担っているのかもしれません。

いずれにせよ、現在のところ日本国内において感染リスクが高い状況には全くなく、依然として国際的にも感染拡大を制御しうる状況にあると考えられます。しかし一方で、これから夏季休暇などで国際的な人的交流が増えたり、人々の濃厚接触が増えた場合には、ますますの感染拡大が生じる可能性も否定はしえないと思います。

参考文献
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2793012
サル痘ウイルスはオルソボックスウイルス属の中のウイルスの1つです。感染経路は基本的には動物(げっ歯類)と接触することでヒトに感染するとされていますが、ヒトからヒトへ感染する事例が欧米を中心に報告されており、接触感染・飛沫感染が感染経路として考えられています。

欧州や北米で、男性同士で性交渉を行う人の間で確定患者や疑い例の集団発生が報告されていることから、性交渉によって感染が拡大する可能性が示唆されていますが、報告されてからまだ日が浅いこともあり、十分な確証は得られていない状況です。現段階では死亡者は出ていないものの、過去の報告では致死率は1~10%にのぼるという報告もあり、今後も注視が必要です。また、コロナと同様、感染拡大の不安に便乗したデマも出てきているため、誤情報に流されないように注意しましょう。
WHOによれば、サル痘の症例が23ヶ国から報告され(5月29日時点)、これらの大半は、元来流行している地域(主にアフリカ)への渡航歴がない一方、プライマリーケアや性産業を通じて発症したとのこと。さらに、多くが男性同性間性的接触者(MSM)であるということ。
最近になって突然同時多発的に非流行地域で報告されたということは、把握されていない流行がかねてから存在していたか、感染を増幅させた何らかのイベントがあったことを示唆している。

WHOのリスクアセスメントとしては、世界全体としては「中程度(Moderate)」としている。
※リスクアセスメントは全部で4段階ある:非常に高い(Very HIgh)、高い(High)、中程度(Moderate)、低い(Low)