米サル痘患者が9人に拡大、「コミュニティーの広がり」を示唆
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サル痘の死亡率は1~10%程度と言われ、同じオルソポックスウイルス属のウイルスである天然痘と比べた場合は高くありません。天然痘は30%程度が死に至り、同時に容易にエアロゾル感染を起こすほどの感染力が高いことから、恐れられてきました。
サル痘については、ヒトからヒトへの感染は稀であるとされてきました。しかし濃厚な接触では感染の危険性があり、患者を診断した医療従事者にも感染が見られたという報告もあることから飛沫感染や体液・皮膚を介した接触感染が起こりうることは確認されています。
本来はそれほどまでは恐れられる感染症ではなかったのに、最近になって主要発生地域であるアフリカ域外で散発的に発生しているため、何かしらの特別な理由の存在と、今後の流行が懸念されます。ただしサル痘の潜伏期間は1~2週間、症状として発疹や膿をもった皮膚病変など外観から容易に判別できるなど、水面下で爆発的に拡大するHIVウイルスのような脅威は少ないと思います。
サル痘の症状は2~4週間程度続くとの報告があり、米国と欧州ではtecovirimatと呼ばれる抗ウイルス薬が治療薬としての認可を受けています。また、天然痘ワクチン(生ワクチン)がある程度有効とされており、日本にはおそらく自衛隊に少量の備蓄があると思います。もともとバイオテロを想定しての備蓄ですので、国レベルでの防疫を可能にするほどの量は持っていないと思います。
これまでと異なりなぜ急にアフリカ域外で広がるのか、理由の解明が今後の解決の糸口になりますが、現時点の個人レベルの対策としては、行動履歴が把握できない方との不用意な濃厚接触を避けることに気を付ければ対処できるはずです。CDCによると、サル痘の感染者が米国7州で9人確認されたと発表したとのこと。
「サル痘」欧米で感染拡大が懸念。予防法は?対策は?【医師が解説】ーミモレ(2022/5/23)
https://newspicks.com/news/7097481
サル痘、複数と性交渉は高リスク 欧州専門機関が評価公表ー共同通信(2022/5/24)
https://newspicks.com/news/7098817