2022/5/24

【核心】スタートアップ経営者が注力すべき、たった一つの仕事

花岡 郁

NewsPicks / Brand Design editor

「こんなチャンスは、一生に一度しかない。コロナ禍だからこそ、旅行事業に賭けてみようと思いました」　

そう語るのは、令和トラベル代表の篠塚孝哉氏だ。令和トラベルの創業は2021年。新型コロナウイルスの影響で、旅行業界が壊滅的な打撃を受けていたときだった。

篠塚氏は、ホテル・旅館の宿泊予約サービス「Relux（リラックス）」を運営するLoco Partners（ロコ・パートナーズ）を創業した人物。ロコ・パートナーズは2017年、KDDIグループに買収されている。

篠塚氏は買収後3年で同社代表を退任し、デジタルに特化した旅行会社を創業した。

なぜ今、旅行業界に賭けるのか。篠塚氏にインタビューした。

前編である本日は、会社売却の舞台裏から、令和トラベル創業に至るまでの経緯を追う。

INDEX

• 青天の霹靂だった買収提案
• コロナは旅行参入の「チャンス」
• 「パッケージ」にこだわる理由
• 徹底的に「プロダクトを追求」

コメント

注目のコメント

• 朝倉 祐介

  アニマルスピリッツ 代表パートナー

  ・2022年05月24日

  ロコ・パートナーズには個人でご出資しており、買収前には社外取締役を務めていました。
  記事にもある通り、完全にIPOを念頭に置いていたこともあり、篠塚社長から買収案を聞いた時には驚きましたが、結果として非公開ながら、日本のスタートアップとしては大きな規模の買収が実現しました。
  
  日本のスタートアップを取り巻く環境を発展させる上での課題の1つがM&A件数の増加だと思っていますが、そのためには成功事例の創出が必要です。この点、KDDIグループに入った後も継続成長したロコは、1つのロールモデルになると思います。
  成功の背景としては、買収以前にKDDIとの間接的な資本関係があり、事業提携を通じて事前に相互理解が深まっていたことが大きいのではないかと捉えています。
  買収する側も、される側も、事前にやり取りが多かったことから「こんなはずじゃなかった！」という思い違いが少なかったのでしょう。
  スタートアップへの投資が最終的に買収に繋がったという点で、大企業のオープンイノベーションの好事例と言えるのではないかと思っています。
  
  篠塚社長には先日、令和トラベル設立の背景も伺っていますので、ご参考までに。
  
  【令和トラベル篠塚社長1】コロナ禍中のタイミングで海外旅行事業を立ち上げ
  https://voicy.jp/channel/621/318058
• 篠塚 孝哉

  令和トラベル CEO

  ・2022年05月24日

  NewsPicksさんに取材していただきました！
  昨年4月の起業からしばらく長い冬が続いてきましたが、ようやく肌寒くも春の香りがしてきたような気持ちです。とはいえまだ逆風だらけなので足腰を強靭にする機会と捉え、一歩づつ頑張っていきます🙋‍♂️
• 清水 勝彦

  慶應ビジネススクール 教授

  ・2022年05月24日

  一旦KDDI傘下入りをお断りしながら、冷静に考えて方向転換。「いまさら」なんて思ってしまいまいがちですが、特に落ち目になる前に(と理解しました)それができたのが素晴らしいと思いました。スタートアップの成功と失敗を分けるのは自信と自信過剰の紙一重だからです。