2022/5/27

【一刀両断】「学習歴」の提唱者、学歴社会のアホらしさを語る

NewsPicks 編集部
学歴社会は限界を迎える──。
ブロックチェーン技術の発展やオンライン授業の進展などにより、実現の可能性が高まってきた「学習歴社会」。
人の寿命が伸び、それに呼応し働く期間も長くなった昨今では、どこの学校を出たかという「学校歴」だけで個人の能力を判断するのは危険だ。
これからは、「何を学んできたのか」や、「学び続ける姿勢」があるかが問われるようになる。
では、今まで、人材を評価するある種の”品質保証”になっていた「学歴」の価値は果たしてゼロになってしまうのか?
「最新学習歴の更新」の必要性を提唱する京都芸術大学の本間正人教授に、現在の教育や学歴社会の課題、進化する学びのカタチについて聞いた。
INDEX
  • 学歴=ガラパゴス
  • 人生まるごと学びになる
  • 恋愛や子育ては究極の学び
  • 「教えて教えて症候群」からの脱却
  • 常に「自己ベスト」を更新せよ
  • 人生とは自分の服を選ぶこと

学歴=ガラパゴス

──本間さんが考える、「学歴社会」最大の問題点とは、何でしょうか。
学歴信仰というのは、東大医学部を頂点とする一元的な学歴ピラミッドが前提にありますよね。
でも世界をよく見渡すと、オックスフォードだとか、ハーバードだとかいろいろな名門大学があり、最近ではミネルバだとか、新しいのもいっぱい出てきていますよね。
東大がピラミッドの頂点だなんて、ちっちゃなお山の大将だったということに、いい加減気づけよっていう話です。
「僕、偏差値75だったんです」なんていったって、誰がそれを世界的に評価してくれるんだ、と。日本でしか通じない学歴というガラパゴスから、いい加減脱却しようと思います。
それに、学歴社会は、長い人生に対応していません。
人生100年時代ではずっと学び続けることが大事で、100年の人生をいかに生きていくかということに関して、学歴社会は極めて不十分だからです。