[ソウル 21日 ロイター] - 訪韓中のバイデン米大統領は21日、今月就任した韓国の尹錫悦大統領とソウルで初の首脳会談を行い、軍事演習拡大のほか必要なら新たな兵器配備を行うことで合意した。また、北朝鮮への新型コロナウィルスワクチン提供や金正恩氏総書記と会う可能性も示した。

両大統領は、北朝鮮の脅威に対応するだけではなく、「自由で開かれた」インド太平洋地域の維持と世界的なサプライチェーン(供給網)保全に向け、両国の数十年にわたる同盟関係を発展する必要性を強調した。

共同声明でバイデン大統領は、必要であれば核兵器で韓国を防衛するとの米国のコミットを再確認した。

両首脳は、北朝鮮との緊張緩和のため縮小していた合同軍事演習の拡大検討でも合意した。

北朝鮮の抑止に必要なら「戦略的資産」の配備を米国は確約した。これは通常、長距離爆撃機、ミサイル搭載潜水艦、空母などを意味する。

両首脳は、核実験やミサイル発射実験への意欲を示している北朝鮮の非核化に尽力するとともに、北朝鮮との外交にもオープンな姿勢を示した。

バイデン氏は共同記者会見で、「北朝鮮の指導者と会うかどうかは、誠実で真剣であるかによる」と述べた。また新型コロナウィルスへのワクチン提供を中国と北朝鮮に提示したが、反応はないという。

さらに、同盟関係は力による国境変更に反対することで成り立っているとも指摘。ロシアのウクライナ侵攻や中台関係をけん制した。

尹氏は、国際貿易とサプライチェーンの変化は両国関係の深化に向けた新たな契機になるとし、電池や半導体分野での協力を呼びかけた。