航空機の市場競争に負けるボーイング、荷物まとめてワシントンへ移転
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クルマや船と違って一度制御不能になってしまうといのちが助かる可能性が一番薄い、と本能的に思ってしまう乗り物が航空機です。その航空機を作っている会社が操縦不能に陥って信頼性に劣る航空機を生産され、事故を起こされては私たちのいのちが危険にさらされている状況と言っても過言ではないかもしれません。
できれば触れる、乗ることの多い民間機の生産・品質担保に力を入れてほしいものです。‘97年の合併でマクダネル・ダグラス病に罹り、その後はジャック・ウェルチGE塾のbean countersに牛耳られて徐々に技術屋が骨抜きにされてしまったボ社、本社シカゴ移転の時はアホかと思ったけど、今度のDCはロビー拠点化ですね。ロッキードなど防衛企業は軒並みDC周辺ですが、株価を見てもボ社は民間機の比率が高いのが分かるので、Richard Aboulafiaの言ってる事は正しい。
もう知り合いのエンジニアも随分辞めたし、出荷停止中の787と型式認定取れてない777-9が工場に並んでるので、なかなか先が見えません…現在のFAAとの関係性を見ると、ボーイングの組織が機能不全に陥っていて、第三者からの信頼を受けられないような状況にあることは想像できます。
今回の本社移転や、この記事の中身を読んでいると、国内の製造メーカーとも非常に似ているところもあるように思います。それは、技術とビジネスのどちらを文化の主軸と置くか、という部分です。
どちらも大事であり、両輪というのは当然ですが、メーカーというのはどうしても技術寄りになってしまう傾向があり、そうすると技術に関しては素晴らしい才能を持っているが、マネジメントの苦手な人がリーダーとなり、製品としては素晴らしいがマーケティングが不得意な故にプロジェクトが赤字となってしまう。という傾向にあり、日本の大規模製造メーカーもその傾向にあると言わざるを得ないと思います。
一方で、ビジネス側にすべての権限を委ねてしまうと、マーケティングや営業こそが資本を作り出す、と勘違いしてしまい、製品やそれを裏付けする技術よる付加価値よりも、コピーライティングや政治的手腕こそが重要視されるようになってしまい、将来に向けた研究活動や、地道な改善活動が軽視されてしまう、という傾向があります。
日本経済が高度経済成長の中で通ってきた道のような気もしますが、そういう意味でボーイングも、技術とビジネスのバランスにかけてしまうと、このような事が起こってしまうと思われます。
更に、最近の社会情勢では、SDGsの企業責任を果たさなければ存在価値が無きものとして社会の中での大批判を浴びるという事を考えると、技術、ビジネス、SDGsの3つのバランスを絶妙に取りつつも事業規模と利益を拡大する非常に難しい経営力が必要とされる時代に来ているのかもしれない、と感じました。