2022/5/17

【解説】パナソニックが、ファイナンスに目覚めた

NewsPicks ジャーナリスト
日本を象徴する企業が、いよいよ覚醒か──。
パナソニックホールディングスが先週、一部の事業を株式上場する準備を始めると発表した。
対象は、2021年に累計約8600億円で買収したブルーヨンダーを軸とする、「サプライチェーン(供給網)」関連のソフトウエアだ。
巨額買収した企業を再び外部に放出するように思えるかもしれないが、そうではない。
セールスフォースのようなSaaS型ソフトウエア企業へと飛躍するため、パナソニックが選んだ新たなファイナンス戦略ともいえる。
ピンチの時に財務の立て直しが得意な「守り」のパナソニックが、成長投資でも勝てる「攻め」のパナソニックに生まれ変われるか。
これは、日本企業全体に当てはまるテーマでもある。そこで、事業の株式上場を巡るファイナンスの本質を深掘りする。
INDEX
  • SaaS企業に、パナはなる
  • サプライチェーンがアツい
  • 成長には、お金がかかる
  • パナが選んだファイナンス
  • アクセルとブレーキの教訓
  • 次は、電池のファイナンス

SaaS企業に、パナはなる

セールスフォース、オフィス365、サービスナウ、ワークデイのように、クラウドサービスでドミナント(支配的な地位)を獲得したい──。