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資金調達を行なった事業を営むスタートアップ企業も、投資家から投資資金を預かってスタートアップ企業へ投資をするVC企業も、本来求められるべきことを粛々とするという原点に戻ったに過ぎないと理解しています。
ただ、言うは易く行うは難しの言葉の通りで、自らがスタートアップ企業経営者としてその原点をどこまで徹底して実行できるのか、改めて気を引き締めてまいりたいと思います。
その点においては、通常の景気循環サイクルでもコロナ後の緩和分+コロナ前までの拡大分の調整余地があるということ。なので、ざっくりコロナ分の調整が入っても、さらにもう一段調整余地はあるものの、それは通常の景気循環の範疇ということ。
それに加えて、ウクライナなど地政学的リスクさらに拡大するリスクはあるし、予期せざる「ブラックスワン」が起こるリスクもあるかもしれないが、それはまだ顕在化していない。(今後どうなるかはわからないから、まさに「リスク」ではあるが。)
よって、今回2022年5月までの暴落はでは狼狽する「○○ショック」のようなものではなく、現時点では景気循環サイクルの局面の変化として捉えるということでいいのではないだろうか。
その中で、スタートアップも、景気の局面の変化に合わせて、成長戦略を最適化させる必要はある。資金が安価に潤沢には供給されないので、トップラインだけを重視するのではなく、ビジネスモデルのエコノミクスを成立させることとのバランスを見ながらの成長をする方に、戦略のバランスをチューニングする必要がある。
その中で、一番戦略のチューニングに苦労するのは、トップラインのみを重視して、エコノミクスが成立していないスタートアップあだろう。一方で、エコノミクスが既に証明されていて、成長もしているようなスタートアップには、資金が集まり、周りが大きく事業投資できない中、競合に差をつけ大きく成長するチャンスだろう。
https://www.theinformation.com/articles/softbank-backed-messaging-app-irl-says-it-has-20-million-users-some-employees-have-doubts-about-that?rc=e8e4h0
10年以上にわたって、この世の春を謳歌して、過去最高の株価をひっぱりってきたテクノロジー株が、5月に入って大暴落をしています。そして多くの経営者は、ついに「冬の時代」がやってきたと語ります。
GAFAはすべて数十兆円単位の企業価値を失い、ネットフリックスやズーム、ペロトンといった「巣ごもり需要」で高騰していた企業たちは、50〜90%もの企業価値を失うという異常事態が起きています。
NewsPicksでは、そもそもなぜテックバブルが起きて、それが弾けたのか。いま日本やシリコンバレーでは何が起きているのか。グラフィックスやデータをふんだんに使って、その背景を読み解いていきます。ぜひご一読ください。
これがコロナが終息を迎えつつある一方でインフレが極まり、おまけに戦争という余計なものまで付いてきてエネルギーと食糧というエッセンシャルのインフレに輪をかけた今、中央銀行はお金の量を減らし、金利を上げている。
すると当然モノ・資産の値段は反対方向に働く。特にそれまでもっとも上がっていたものが真っ先に落ちるのが当然。それがスタートアップ/テック株である。
基本的には、シンプルにそれが今起きている事象。
故に今後の推移もある程度想定しやすい。
それは第一にインフレが収まるか否か、第二に収まる過程において極端な不況に入らないかどうか。それがスタートアップ冬の時代がどれぐらいの極寒まで気温が下がるのか、春が来るまでの時間がどれくらい長いのかを決定する。
過去一切の例外無く、パブリックマーケットが悪くなれば未上場スタートアップファンディングも悪くなる、逆も真。
今のところ、インフレも短期で収まるし不況入りもしないだろう、そう自信をもって断言できる人は多くは無いのでは。
ならばスタートアップ起業家、投資家が為すべきは、この冬がまだまだ気温が下がり、春は遠い、そういう前提で準備する事だろう。そうならなかったらラッキーと思えばよいだけだ。
環境の変化に素早く適応しながら、やるべきことを、やるべきタイミングでやる。それが重要。
ただ今回の冬の時代の底はある程度みえている。リーマンの時みたいに世界金融の連鎖骨折ではない。特に米国は好景気、賃上げ局面のインフレ。各社の業績は良い。PERの過熱感もなくなってきてる。価格が上がりすぎた一部のハイパーグロースは苦戦するだろうけど、全体の戻りはそれなりに早いと思う(1-2年)
もう一つの兆候として、利益倍率以外でバリュエーションされ出したら危険、というものもあります。昔のドットコムバブルの際は、利益が出ないうちから高い価値がつくのを説明できず「ページビュー(PV)倍率」が用いられたこともあったというのは若い人に言うと笑われるかもですが、近年のSAAS企業を売上倍率で評価していたものと本質は同じです
将来利益の先行指標になり得るのは間違いではないですが、先行指標だけ良くても将来利益に結び付けられない企業がどんどん混ざり込んでいくのが世の常です
それでも多くの投資先から1社当てれば投資は回収できる、という投資家が増えるとどんどん資金がじゃぶじゃぶになるが、将来高値で売れる見通しが無くなると急に資金が収縮する、という構造になってしまいます
スタートアップ界隈はこれに備える必要がありますし、なかには相当厳しいところもあるでしょう。
一方で、ひとりの個人投資家としては、コツコツと積み立ててきた米国株投資はいまだに結構な含み益があり(じいさんになるまで解約しないのでどうでもいいのですが)、さすがに株価は上がり過ぎだよなあと思っていた時期でもあるので、この株価下落は米国株に資金を投じるには良いタイミングがふたたび巡ってきたなあとポジティブに捉えている自分もいます。
破壊者は社会的課題が明確で、次に進むべき道がわかっている。そういう企業には引き続き資金が集まるし、この冬の時代を乗り切れば、大きくジャンプします。
そういう企業を見極め、この時期に安値で拾っておけば、将来が期待できそうです。冬の時代の過ごし方は、雪解けをじっくり待つこと。