2022/5/16

【独自】私が京都の上場企業で「社長交代を狙う」理由

アメリカでは個人投資家のイーロン・マスク氏がツイッター買収劇を繰り広げている。
今後ツイッターを大きく変革すると言われているが、実は日本にも社長交代を突き付け企業変革を迫る「物言う個人投資家」がいる。
金武偉(キム・ムイ)氏だ。
彼は京都の上場企業、フューチャーベンチャーキャピタル(FVC)の社長交代を求めている。FVCは1998年に創業し、総額200億円を運用するベンチャーキャピタルだ。
金氏は今年4月、FVCの経営陣の刷新を求める株主提案を発表、来月の株主総会で個人株主たちに真意を問おうとしている。
個人投資家が上場企業トップの総入れ替えを求めるのは異例のことだ。
この提案が可決されるには、株主の50%を超える支持が必要になる。金氏の株保有率は約2.5%。行方を左右するのは80%の浮動票の個人株主たちだ。
「会社は宝の持ち腐れ状態。潜在的な価値を最大化できるビジネスモデルを浸透させたい」(金氏)
金氏は「物言う株主」がしっかり企業の経営を見張る存在であるべきだと主張し、ツイッターやユーチューブなどを駆使して、個人株主に提案を訴えている。
もちろんFVCは、この提案に真っ向反対している。果たして、この勝負はどちらに軍配が上がるのか。
NewsPicks編集部は金氏を直撃、彼の描く提案、そして狙いはどこにあるのか本音を聞いた。

「宝の持ち腐れ」を変革する

──なぜFVCの株主提案をしようと思ったのでしょう。