2022/5/15

【深刻】アマゾン「翌日配送」が人と地球に与える影響

INDEX
  • コロナ時代のライフライン
  • 配送ドライバーの悲鳴
  • 把握できない事故の数
  • 翌日配送が「合理的」でない理由
  • 必要な物だけを買う良識を

コロナ時代のライフライン

新型コロナウイルスの感染拡大は、アメリカを「翌日配送国家」に変えた。
とりわけネット通販大手アマゾンは、コロナ禍の暗い日々の中で売り上げの急増を見た。2021年1~3月の総売上は前年同期比で44%増加し、最終利益は81億ドルだった。
売り上げアップを牽引したのは、世界で2億人を突破したアマゾン・プライムの有料会員。ユーザーは会員特典の「お急ぎ便」を使い、デスク用の椅子からバナナまで、あらゆる商品の翌日配送を求めるようになった。
パンデミックが始まって以来、アマゾンが売る商品は44%増えたが、注文に対応するためのコストは31%の増加にとどまっている。大量の商品をさばくことで効率がさらに上がり、コストが抑えられたのだ。
「倉庫をほぼフル稼働させることに加え、ドライバーが配達ルート上で立ち寄るスポットを増やすことで、配達先から配達先への移動時間が短縮された」と、ニューヨーク・タイムズ紙は報じている。
ロックダウン中、アマゾンの迅速な宅配は多くの人々にとってライフラインになった。だがノーマルな生活に戻りつつあるいま、私たちはパンデミックのあいだに無意識に身につけた習慣を見直す時期にきている。
(Robert Alexander/Getty Images)