じもとHD、公的資金の申請に向けた検討開始を決定
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なぜ中の人はアプリでPDFリンクを踏めないのにいそいそとリンクを貼ってしまうのか、その謎を解明するため我々はベンチャー企業に向かった。
という冗談は置いといて、銀行の経営状態を測るのにキャッシュフローを始めに参照するのは無意味とまでは言わないけど重要ではないし、全くもってミスリーディング(一般事業会社のそれと同一視するのはもってのほか)なので、コメントを訂正したほうがいいかと思う。地域経済のキュレーターってなんだろう🤔
何がどうおかしいのか説明するのは1,000字じゃ足りないけど、例をあげるなら
・取引先に融資した場合
本業である貸出で取引先口座(自行)に預金を自己勘定から移したあと、取引先が事業の取引のため他社の口座(他行)に資金を移動、すると銀行のCF計算書上は営業CFの減少
→本業の融資残高が増えることは(利鞘がどうかとかその後返ってくるかどうかとかは別として)経営上プラスなのに営業CFはマイナス
・個人顧客の普通預金の増加
銀行から見ると本業での資金流入なのでCF計算書では営業CFのプラス
→長らく続く国内低金利運用難環境では無用な預金増加は経営上のお荷物だけど営業CFはプラス
ということで、銀行にいたなら気付きそうなことに何故気がつけなかったのか、その謎を解明するため我々は銀行に……向かわない。
注目のコメント
山形県の地銀(山形銀行、荘内銀行、きらやか銀行)の預貸金、自己資本比率、不良債権比率は以下からご覧いただけます。銀行にとって重要な指標の一つ自己資本比率も8%台を保っています。
https://www.fsa.go.jp/policy/chusho/shihyou/tohoku/tohoku/yamagata/2104-1.pdf
他行に比べて数値的には大きく劣っているとは言えない、かつ県内シェアも2位となっています。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/s210102_16.pdf
ただディスクロージャー誌を見ると、キャッシュフローが近年悪化している様子が伺えます。
ちなみに2022年3月期は以下の通りです。
営業活動によるキャッシュ・フロー:289億64百万円
投資活動によるキャッシュ・フロー:▲79億83百万円
財務活動によるキャッシュ・フロー:▲6億98百万円
https://www.jimoto-hd.co.jp/ir/library/disclosure/pdf/2021/09/202109h_p018.pdf
2022年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
https://www.jimoto-hd.co.jp/ir/pdf/20220513_tanshin.pdf
下記日経新聞の記事によると、公的資金を検討した理由として、世界的な金利上昇で外債価格が下落したのも要因の一つだそう。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB11E210R10C22A5000000/
加えて、コロナを乗り越えるための取引先支援を行うためにも、今回の公的資金注入により、資本を増強することが最善だと判断されたのですね。
「コロナ特例」の特性から、今後も利用を検討するところは出てきそうですね。