2022/5/13

【新】カリスマでなくてもOK。「強い世界観」を生み出す思考法

NewsPicks編集部
まるで預言者のように、新しい時代のムーブメントをいち早く紹介する連載「The Prophet」。今回登場するのは、『コンセプチュアル思考』の著者であり、キャリア・ポートレートコンサルティング代表の村山昇氏だ。
先行きが見えないVUCA時代には、自身のキャリアに苦悩し、それゆえ心を病んだり、常に閉塞感を抱えたりしている人が少なくない。
こうした現状を受け、村山氏は「日本人には、コンセプチュアル思考が足りていない」と指摘する。
コンセプチュアル思考とは、いわば「概念や意味、価値を考える思考体系」である。あらゆる技術が猛スピードでアップデートされ、ゲームチェンジが次々に起こる時代においては、スキルを磨くだけでは先細りしていく可能性が高いのだという。
正解のない時代に、自分自身の正解を見いだすには、いったいどうしたらいいのだろうか。
これまで数々のビジネスパーソンに「オリジナルなキャリア」のヒントを提供してきた村山氏の見解を交えながら、ロジカル思考やデザイン思考と並ぶ、21世紀の新教養・コンセプチュアル思考について探っていこう。
INDEX
  • 今必要な「意のはたらき」
  • オリジナルな“観”を鍛えよ
  • Appleに学ぶ競争しない戦略

今必要な「意のはたらき」

「今のままの仕事で本当にいいのだろうか」──。
コロナ禍の影響を受け、自身のキャリアを見つめ直した経験がある人は少なくないだろう。“先行きが不透明な時代”と言われてはや数年が経つが、未曾有のパンデミックによって、キャリアに対する不安はますます大きくなった。
テクノロジーの進展による破壊的イノベーションが起き、ビジネスモデルが陳腐化するスピードが加速度的に増している時代においては、固有のスキルが安定を約束してくれるわけではない。
であれば、むしろ「どのようにして生きるか」というミッションや大義こそが、真の意味での安定をもたらすのではないだろうか。
数々の企業研修を請け負ってきた村山氏は、『コンセプチュアル思考』の中で、人間が価値を発揮し続けるためには、「知のはたらき」「情のはたらき」「意のはたらき」の3つの思考活動が求められると説明した。