freee、税理士向けクラウドサービスを展開するMikatusを子会社化
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freeeがMikatusを買収。取得価額は約21億円の予定。
MikatusのPL*によるとPSRは2.5倍程度。NetDebtは不明なためゼロ・開発の資産化をしておらず減価償却はほとんどない前提とすると、EV/EBITDA23倍。
PSRは割安な一方、EV/EBITDAでは相当に高く見えます。が、今期黒字化したところのようですし利益ベースのバリュエーション分析は無意味でしょうか。
リリースによると3割の増益を2回見込んでいるそう*なので、その点がポイントになりそうです。ただ、それを含めて、2億円程度の営業利益だとすると、そのForward EV/EBITDAでも10倍を超える模様。24-25年にこのあたりの想定を達成できるかが減損の可能性がある勝負、ということでしょうか。
*Mikatusの業績推移は以下のとおり。
・2020/1 売上高6.2億円 営業損失3700万円 純損失4700万円
・2021/1 売上高6.8億円 営業利益 400万円 純損失900万円
・2022/1 売上高7.4億円 営業利益8700万円 純利益8300万円
**「DCF 法による算定の前提としたMikatusの財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、Mikatusはfreeeグループ参入に伴うシナジー創出による売上高の増加及びオペレーションの効率化等を踏まえて、2024年1月期及び2025年1月期にそれぞれ前年度に対して3割以上の増益を見込んでおります。」とある両方使ったことあります。
MikatasのA-SAASは税理士・会計事務所向けで、税務申告までできる点、部門別帳票で売上比率が出るなど帳票系が充実しているのが特徴と思っています。
しかしながらクラウドになったのが他社よりも数年遅く、それまではハイブリッド的なアーキテクチャで、入力が遅すぎて使い物になりませんでした。(結局全部csvインポートしてました)
一方でfreeeは一般企業に矛先が向いています。もちろん税理士が紹介したりもしますが、基本的にはユーザー側が自分でアカウントを作って使用を開始します。
APIが充実しているのが特徴で、これを駆使すれば予実レポートだとか各種財務指標を分析的に出すのは簡単です。
このようにビジネスの向き先が異なる両社ですから、相乗効果は大きいと思います。
いずれfreeeに統合するものと思いますが、その際に会計事務所起点の税務申告システムとしてのfreeeという立ち位置も確立でき、死角がなくなりますね。
ライバルのMoneyfowardがどう出るのでしょうか。freeeが税理士向け税務・会計・給与システム「A-SaaS」など運営のMikatusを完全子会社化しました。
Mikatus コーポレートサイト:https://mikatus.com/
直近3年の業績(Mikatus)
2020/1 売上高6.2億円、営業損失3700万円
2021/1 売上高6.8億円、営業利益400万円
2022/1 売上高7.4億円、営業利益8700万円
・freeeはMikatusの第三者割当増資引き受けを含め、総額25.2億円で買収
・Mikatusは4社の候補先に対して入札プロセスを実施し、取引スキーム、スピード、確実性からfreeeを選択
・グループインによるシナジーで3割以上の増益見込み
freee開示資料
①https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS08692/2feb3c22/e696/4d63/bf96/aceb25546680/140120220509535295.pdf
②https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS08692/beb12265/759f/4c87/b083/955ff7cb478a/20220509132031534s.pdf