[パリ 9日 ロイター] - フランスのマクロン大統領は9日、ウクライナや英国などの欧州連合(EU)非加盟国が「欧州の中核的な価値」を共有できる新たな形での「政治的な欧州共同体」を支持すると表明した。

マクロン大統領は欧州議会で、ウクライナが戦いと勇気によって、欧州の一員であることを明示したとしつつも、ウクライナが望むEU加盟には「プロセスに数年、数十年かかる可能性がある」と慎重な見方を示した。

「欧州政治共同体」については、政治的な協力や安全保障、エネルギー協力、輸送、インフラ投資、人の移動などの分野で中核的な価値観を堅持する民主的な欧州諸国に開かれるとした上で、共同体への参加が将来のEU加盟を約束するものでも、EUを離脱した国を阻害するものでもないと強調した。

さらに、仏大統領選での自身の勝利は、フランス国民が欧州により多くを望んでいることが浮き彫りになったという認識も示した。

ロシアのプーチン大統領は9日、対ナチス・ドイツ戦勝記念日の軍事パレードの式典で演説し、ウクライナに対する特別軍事作戦は必要かつ時宜にかなった措置で唯一の正しい判断だったと主張した。

マクロン大統領は、プーチン大統領の演説を「脅迫」、「好戦的」としつつも、欧州は過去の過ちから学び、ロシアとウクライナの和平交渉において、いずれの国も屈辱を受けないよう確実にする必要があるという認識を示した。