[ワシントン 9日 ロイター] - 米商務省が9日発表した3月の卸売在庫は前月比2.3%増と市場予想通り速報値に一致した。売り上げ増に伴い、伸びは前月の2.8%増から鈍化した。

3月の前年同月比は22.0%増だった。 部門別では自動車在庫が前月比2.4%増と2月の1.9%増から伸びが加速。国内総生産(GDP)算出に用いられる自動車を除く卸売在庫は2.3%増だった。

卸売売上高は1.7%増。前月は1.5%増加していた。

3月の販売ペースで在庫が全てはけるのに必要な期間は1.22カ月。前月も1.22カ月だった。

2月の卸売在庫の伸びは2.8%と、従来の2.6%から上方修正。第1・四半期の経済成長率が上方修正される可能性がある。

商務省が先月発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比1.4%減。企業在庫の伸び鈍化による成長率の押し下げ幅は0.84%ポイントだった。

卸売在庫の2月の伸びが上方修正されたことを受け、エコノミストは押し下げ幅は0.6%ポイントに縮小したと予想。第1・四半期の成長率はマイナス1.3%に修正されるとの見方を示している。

JPモルガンのエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は、在庫は第1・四半期に力強く伸びたと指摘。ただ、「昨年第4・四半期と比べると控えめな伸びで、第1・四半期は在庫が経済成長率の重しになったとの見方を変えていない」と述べた。