[ロンドン 2日 ロイター] - S&Pグローバルが2日発表した4月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は55.5と15カ月ぶり低水準となった。原材料の調達に苦慮したほか、物価の急騰と景気見通しへの懸念から需要が鈍化した。

速報値の55.3からわずかに上方修正された。3月は56.5だった。

ロシアのウクライナ侵攻と中国での新たな新型コロナイルス対策のロックダウン(都市封鎖)で供給網の目詰まりが悪化した。先行きを示す指標にも目先好転の兆しは見られない。

4日公表の総合指数に反映される生産指数は前月の53.1から50.7へ低下。新型コロナ第1波がユーロ圏を襲った2020年6月以来の低水準を記録した。

S&Pグローバルのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「4月の製造業生産はユーロ圏全域でほぼ足踏みとなった」と指摘。

「部品不足がウクライナ紛争と中国のロックダウンによって悪化しただけでなく、物価上昇と経済見通しに対する不透明感の高まりが需要にも打撃を与えている」と述べた。

生産価格指数は74.2から77.3へ上昇し、2002年終盤のデータ収集開始以来の高水準となった。投入コストが過去最高ペースで上昇し、企業は即座に価格に反映させ顧客に転嫁していることが示された。