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キーウや他の都市へのミサイル攻撃は、連日続いています、国連事務総長がいようが、ロシア側は特に気にしていなかった、ということでしょう。
 ミサイル攻撃は高価で、それほどの効果は期待できません。近距離での砲撃ができない地域への攻撃手段です。
 ロシア軍の地上部隊が砲撃を続けている東部は、比較にならないほどの破壊力にさらされています。
 ロシア軍がミサイルを使ってまで重点的に破壊したがっているのは、特に鉄道輸送網です。駅などが狙われています。
 ウクライナ軍の生命線は、とにかくポーランド経由で鉄道で運ばれてくる欧米諸国からの兵器支援なので、ロシア軍は、最近は西部の鉄道網破壊に力を入れています。
この戦時下にプーチンとゼレンスキーの両方と直接、協議できる指導者は限られる。グテーレスはその一人。事務総長がキーウに滞在していた間にミサイルが撃ち込まれた。そのリスクはわかっていたが敢えてキーウを訪問した。グテーレスの立場は明確。

1)ロシアによるウクライナへの侵略は、ウクライナの領土的一体性と国連憲章の違反。安保理は機能しなかったが、国連総会では141の加盟国がロシアによる侵略を非難する決議に賛成した。

2)国連事務局はウクライナの人命を救い、苦しみを軽減し、平和への道を見出すべく全力を尽くす。ウクライナでは約1,400名の国連スタッフが活動している。多くはウクライナ人の現地職員。9つのオペレーションのハブがあり、30もの拠点がある。これまで340万人に人道支援を提供してきた。約500万人が国外へ避難、さらに約770万人が国内避難民、合計で1200万人以上がこの戦争で家を追われている。

いま国連事務局が追及しているのは1)実効的な人道回廊、2)局所的な敵対行為の停止(特にマリウポリ)、そして3)民間人の安全な通行と支援提供路の確保。なかでもマリウポリのアゾフスタール製鉄所に取り残された数千人の民間人が対象。ざっくり「停戦」として議論されているものより、当事者は踏み込んで交渉している。国連事務局と国際赤十字(ICRC)が、この難しい交渉を進めている。

国連事務局は高い期待を背負わされ、誤解され、スケープゴートにされ、そして失望される。シリアでもそう。職員はそんなことは百も承知。メディア、市民、さらに国連加盟国の各国政府にもなかなかわかってもらえないが、ミサイルの標的になるリスクがあっても当事者と向き合うのが国連職員。

UN Secretary-General Guterres & Volodymyr Zelenskyy Hold Press Conference
https://www.youtube.com/watch?v=RN5KWiMI9Ag&ab_channel=NowThisNews
先にモスクワに入り、ロシアに最大限の配慮をしたグテーレスに後ろ足で砂をかける行為。ロシアはもう誰の言うことにも耳を貸さないのだろう。ロシアが理解するのは唯一「力の論理」のみ。
国連事務総長が訪問中でも構わずキーウをミサイルで攻撃するとは、にわかには信じがたい暴挙。 
可能性として考えられるのは、
①そうだとわかった上でクレムリンが指示してミサイルを撃たせた(合理的行為者仮説)
②キーウ攻略の司令官がグテーレス事務総長が訪問中だと知った上で嫌がらせに、敢えて近郊にミサイルを打ち込んだ(現場の裁量仮説)
③ロシア軍の現場がそうと知らずに上から言われ、あらかじめプログラム化(マニュアル化)された作戦を淡々と実行している(現場の思考停止ルーティン仮説)
④キーウ攻略の前線部隊が制御不能になって暴発している(現場崩壊制御不能化仮説)
の4つくらいですが、ロシアがますます危険な軍事的賭けに出るリスクが高まっている兆候だと受け止めています。
もちろん、背景が①②③④のどれかによって西側としての打ち手は異なってきます。
組織論的にも興味深い局面です。
ウクライナメディアによると、28日にキーウでロシア軍によるミサイル攻撃があったとのこと。グテレス国連事務総長がゼレンスキー大統領と会談していたこの日、国連が少しでも状況を改善できることを願います。

プーチン氏、国連関与で原則合意 マリウポリ製鉄所の民間人退避ーロイター(2022/4/27)
https://newspicks.com/news/6995503

国連事務総長、マリウポリ市民退避で尽力 ゼレンスキー氏と会談ーロイター(2022/4/29)
https://newspicks.com/news/7005506
いろいろな思惑もあるのかもしれないが、それでも戦争の真っただ中に訪問するというのは、相当な覚悟のいることなのだと思う。