2022/5/3

【60歳起業家】昭和の組織をテクノロジーでGoogle化する

NewsPicks スタートアップ
60歳でSaaSカンパニーを創業──。
原邦雄CEOが創業したBeatrust(ビートラスト)が、創業2年で8億円の資金調達(シリーズA)にこぎ着けた。JAFCO(ジャフコ)をリード投資家とし、米ピンタレストへの初期投資家として知られるウイリアム・ローズ氏も名を連ねる。
原CEOは、シリコンバレーのスタートアップと長く関わってきた。
今から20年くらい前、シリコンバレーでコンサルをしていたら、妙なスタートアップに頼まれごとをした。データ圧縮技術がずば抜けた、ゲームのグラフィックエンジンの会社でした。

たとえば、宇宙から見た地球をズームアップする。世界全体が見えて、大陸が見えて、山が見えて、人が見えて。莫大な画像データや地図データをミックスしてものすごい量の計算が必要なグラフィックだけれど、圧縮技術を駆使して、そうしたバーチャル体験を実現していた。

ぜんぜんマネタイズできなくて。どうにか日本の会社に売ってくれないかって、創業者に頼まれた。コンサル料を払うお金がないから、会社の株を譲ると言われてね。

日本の大手製造業を回ったけれど、みんな『すごい、すごい』と言うばかりで、やっぱり商売につながらない。

しばらくすると、その創業者が訪ねてきて、僕がコンサル料として受け取った株の数を確認してきた。聞くと、会社を売却するんだと。

売却先が、グーグルだった。そのキーホール(Keyhole)というスタートアップが、グーグルアースになった。
原CEO、何者であろうか。その人物像と起業の経緯、ビートラストについて聞いた。