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ポーランドとブルガリアへのガス供給停止、ガスプロムが確認

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  • ワルシャワ大学准教授(法学博士) 欧州エネルギー政策、東欧政治専門家

    ポーランド側でガスプロムより天然ガスの供給を受けているPGNiG(ポーランド石油採掘・ガス産業公社)は、ロシア側からの供給停止通告を日本時間26日深夜に受領し、一気に報道が加熱しています。

    しかし、伝統的な反ロ国であるポーランドにとってロシア産ガスからの撤退は既定路線であり、故レフ・カチンスキ大統領の時代より着々と準備を進めていたものであり、その意味では、何ら新しいニュースではありません。

    北極圏に属するヤマル半島からベラルーシ、ウクライナを経由し、ポーランド及びスロバキアを通ってドイツ、オーストリアまで天然ガスを運ぶヤマルパイプラインは、1990年代初期の冷戦崩壊直後に完成したプロジェクトで、当時は、イデオロギーによる対立が去った後、欧州の明るい未来を見据えた夢のあるプロジェクトでした。

    時代は変わり、現在、同パイプラインは、ドイツが、ノルドストリーム海底パイプラインでロシアから輸入する天然ガスをポーランドに逆流させ、同国を助けるための手段としており、まったく違った使われ方をしています。将来は、ヤマルパイプラインを使って水素を輸送する計画も温められています。

    ポーランドは、ヤマル逆流、同国北部の最新鋭LNG基地(年間63億立米)、チェコとのパイプライン国際連系線、デンマークとノルウェー間のパイプライン連系(Europipe II)、5月1日から実現するリトアニアのクライペダまで来ているパイプラインとLNG基地との国際連系(Interconnector GIPL)など、ガス供給多角化への布石を次々と打っており、国内のガス供給は備蓄も含め、今のところ問題ありません。

    モスクファ気候・環境相は、2027年まで、ガス小売価格への政府補填を行うと発表しており、ウクライナ避難民受入により逼迫する財政に、高価なLNG輸入が「追い討ち」をかける中、同国の耐性が試されています。

    https://www.onet.pl/biznes/biznesalert/gazprom-zapowiedzial-zakonczenie-dostaw-do-polski-ale-jestesmy-gotowi/cew7l06,30bc1058


注目のコメント

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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    (追記) ポーランドの電力は、80%が石炭火力発電です。そして、ポーランドは石炭を国内で自給できます。
     2019年にEUが「2050年までに石炭火力発電全廃」というプランを掲げた時に、ポーランドは、このプランに参加することを拒否して、石炭火力発電を維持しました。
     ドイツやフランスなどの首脳にこのプランに参加するように迫られ、環境NGOも化石賞授与だ何だのと、繰り返し責められてきました。
     もしこの時、電力の相当量をロシアから輸入した天然ガスに依存するようになっていれば、2022年現在、ロシアに屈するしかなかったかもしれません。ポーランドからの補給が途絶えれば、ウクライナも戦争継続できなくなり、ロシアに占領されるしかなくなります。
    https://www.ft.com/content/4578b326-e38f-11e9-9743-db5a370481bc

    ポーランドは、欧米諸国からウクライナへの軍事支援物資の集積地で、ポーランドからのロジスティクスがウクライナ各地につながっているからこそ、ウクライナ軍は戦闘を続けられます。
     ロシアにとっては、ポーランドは目の上のたんこぶです。このロジスティクス網を断てば、ロシアは圧倒的に有利になるので、ロシア軍はポーランドに対して何らかの攻撃を行うのではないかと警戒されているほどです。
     ロシアからポーランドへのガス供給はすでに停止されていて、ポーランド政府は対抗措置として、ガスプロムなどロシアの50以上の企業に制裁を課しました。
     ポーランドは、歴史的な同盟国であるリトアニアから天然ガスを輸入するパイプラインを開きました。リトアニア自身は天然ガスは産出しておらず、今年4月からはロシアからの天然ガス輸入を停止しました。リトアニアは今はノルウェーから天然ガスを輸入していて、それをポーランドにも回すことになります。
     北欧の天然ガスでは、ヨーロッパ諸国の需要を賄うのには足りないので、当座は米国がどれだけ支えてくれるか、がカギになります。


  • 東京大学 中国思想文化学研究室助教

    ドイツは早々とユーロのみによる支払いを表明していましたが、ガスプロムバンクが経済制裁の対象外であるため、「ユーロで払っても、ガスプロムが自分でルーブルに換えられるから良いだろう」という話で、供給が継続されています。

    基本的な状況はドイツも同じはずなのに、今回ポーランドだけが停止されたのは、とりあえずの見せしめですね。いきなりドイツのような大口を止めると、産出し続けているガスがダブついてしまうので、ポーランドを選んだわけです。

    また、ウクライナの西辺に隣接し、援助物資の主なルートになっている他、ポーランド自体もウクライナに戦車を提供したことが関係しているのかもしれません。
    今後のドンバス地方での戦闘では、戦車の数が重要になって来るので、その牽制という意味も考えられます。


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