2022/4/26

【実録】気候変動に挑戦する「ある植物科学者」の夢

NewsPicks編集部 スタートアップ
短期間でリターンを得にくい、規制のしがらみが大きいなどから、なかなかイノベーションが進まない農業領域。
そんな中、ある発見をきっかけに、農業の常識を変えようと挑戦するスタートアップがいる。植物活性剤を開発・販売するアクプランタだ。
2017年、理研の科学者だったCEOの金鐘明の論文が「Nature Plants」に掲載され、世界から気候変動対策に有効だとして注目を浴びた。
スタートアップ立ち上げから1年という短期間で製品化に成功し、すでに海外展開も進めている。
発見はどのようなもので、地球環境の保全にいかに寄与するのか。発見への道のりと科学者としての想いをアクプランタ代表の金CEOに聞いた。
金鍾明(キム ジョンミョン)。アクプランタCEO。東京大学大学院農学生命科学研究科特任准教授(兼任)。奈良先端大学院大学で博士号取得後、UCLA分子生物学研究所に留学し、エピジェネティクス研究に従事。帰国後、理化学研究所にて植物の環境ストレス応答とエピジェネティクスを繋ぐ新しい研究分野を開拓。植物の乾燥耐性化には酢酸を介したエピジェネティックな遺伝子制御が必須であることを発見。この研究成果を社会実装し、世界の食料問題と環境問題を解決するため、2018年にアクプランタ株式会社を設立した。