街の書店はなぜ潰れ続けるのか SNS議論に見る「Amazonのせい」だけじゃない切実事情
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そりゃそうだ。
・キンドルなどデジタルガジェットでの読書人口が増えており、紙の需要は減少傾向。
・高齢化や人口減少によるターゲットの減少。
・動画コンテンツなどWebコンテンツの充実により、本のコンテンツとしての優位性低下。
カフェ併設など、親和性の高い別のコンテンツとのコラボなど工夫無くして生き残る道はない。
注目のコメント
一口に書店と言っても、
①紀伊國屋さんやジュンク堂などのような大手のナショナルチェーンと、
②地方都市の、数十坪くらいで、その県だけに数店舗以上展開している老舗ローカルチェーン、
③商店街にかつては必ずあった10坪くらいの、雑誌と漫画と絵本と教科書準拠参考書と少しのベストセラー書籍だけおく本屋さん
④レンタルビデオと一緒になった地方のロードサイドの大型書店チェーン(多くはフランチャイズ)
といろいろあり、課題はそれぞれに異なります。
この記事で言っているのは、③のことでしょうか。
だとすると、Amazonが来る前から、年収300万円くらいにしかならない、土地家屋を持っていないとできない、でも、楽なショーバイ、といわれていました。委託だし、勝手に商品送られてくるし。だから、固定客にも平気で、はたきをかける、およそショーバイ人とは思えない態度でも、雑誌全盛期、高度成長時代、やってこれていた。それが、バブル崩壊と共に、怪しくなってきていたのです。
本好きが嘆くのは、主に②でしょうか。確かに、各地方には、地元の名士が、所有地の一部を使って、特徴ある書店を営み、地方の文化の中心っぽい雰囲気もあったように思います。情報が少なく、偏っていたネット以前の時代。確かにAmazonの影響を受けているかとも思いますが、それ以上に、優れた書店員さんを育て雇い続けるには、利益率の低すぎるビジネスモデル、というのも大きいように思います。粗利率23%の商売って、ちょっとひどすぎません? これは書くと長くなる出版書店業界の構造的問題。
①については、必ずしも下降線とは言えないと聞いています。何人かの方が、実際書店に行って触れる楽しみとかおっしゃっているのは、この①の書店のことをおっしゃっているように思います。
④については、この2年半、このタイプの店のデータから離れているので詳しくないですが、地方発のロードサイド系(フランチャイズ系)書店チェーンのは、日販などに身請けしてもらっているところも少なくないように思います。ベストセラーの軽い実用書とかグラビア系とかも多いので、ひょっとしたらAmazonの影響、一番受けているのかもしれません。
日本は書店の数は世界でもダントツに多い。理由は欧米では書店と雑誌店は別だから。書籍だけを売る書店の数で考えたら、、まだ多すぎるのかも。。本屋は委託販売で地元の地主がサイドビジネスで始めたケースが多い。自動車学校とかと構造は似ている。本が好きというよりサイドビジネスな所が多いんで、並べれば雑誌とか自動的に売れてく時代じゃなくなったら、そりゃあダメになりますわな。
本だけじゃなくて雑貨販売とかセミナー実施とか多角経営すれば街の知的スペースとしての価値はあるしビジネスとしては成立します。まあ簡単に言うとやる気がないところがうまく行くわけないって話です。
私が関与してる本屋はこちら。
https://www.shibuyabooks.co.jp日本における「街の書店」というのは、諸外国と違って、事実上「雑誌スタンド」でした。たとえばアメリカの雑誌は定期購読が中心で、雑誌は書店での売れ筋商品ではありません。
その雑誌が売れなくなっているので、「街の書店」が姿を消しつつあります。地代の高い好立地では、回転率の悪い書籍だけでビジネスを成り立たせるのは至難です。
雑誌社の人間としては忸怩たる思いがありますが、「雑誌の書籍化」もひとつの潮流です。小社の「PRESIDENT」も「dancyu」も、大特集がウリで、バックナンバーでもおもしろく読める雑誌です。書籍に似た売り方になっていると思います。
そうではなく、暇つぶしに特化して、はやりの話題を扱う、という雑誌は消えていきました。やはりウェブに置き換わっていったと感じます。
「街の書店」が消えることにさみしさを感じるのは、街中から知的な空間がなくなる、と感じるからだと思います。つまり「知的な空間」にはニーズがあります。1500円の入場料を払う本屋「文喫」の成功は、そうしたニーズを満たすからだと思います。