米 国務・国防 両長官キーウ訪問 軍事支援など協議か
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アメリカがこれまで以上にウクライナに関与し、武器供与を続ける覚悟を示す両長官の訪問。会談の中身よりも、こうした会談を行うことがすでにメッセージ。ロシアが嫌がることをどんどんやろうというメッセージでもある。
ブリンケン国務長官と、オースティン国防長官が揃ってウクライナの首都キーウを訪問。
これに関する私の受け止めは、以下。
①ロシアがそれに対して過剰反応することも厭わないという対決姿勢を示すシグナル。これはハード面での軍事力の提供とソフト面での経済・金融制裁の一段の強化と、その継続に踏み込むための自らの退路を断つことも含む。
②米国が諜報と軍の双方において質量ともに十分な人員をウクライナ国内に送り込んで、現地での不測の事態に物理的にも対応できる状態を確保したということ。実質的な「治安目的の軍事侵攻」を行なっている、ことを暗示します。
③他方、ロシア側は5月の「戦勝記念日」に向けてセレモニーを盛り上げる準備を始めており、それに向けて勇ましい国内向けの「大本営発表」を繰り返す必要があります。暴発のリスクを孕んだ拳を振り上げるジェスチャーをせざるを得ません。
④プーチンの周りにいるイエスマンたちはこれを踏まえて、ボスに何を進言するか、です。彼らは自分の保身のために、どう進言したらよいか頭を抱えているでしょう。
さあ、プーチンがこれにどう反応するかが、見ものです。
ふと気づいてみれば、われわれは、ケネディ・フルシチョフ時代の「キューバミサイル危機」の再現(2.0)ともいえる事態の中にいるような気がします。恐らく細部については、ゼレンスキー大統領とキーウに駐在する米(英)の連絡官、もしくはワシントンへの秘匿回線によって日々詰められているものと推察。そのため今回の訪問は、米国は決してウクライナを見捨てないという政治的なメッセージ、そして米(英)の政治家はその気になればいつでもキーウを訪問することができるという力の誇示の意味合いが大きいのでは。もちろん直に会ってみないと話せないことも多々あるだろうが。いずれにしても日本を含め、他国の政治指導者ではなかなか真似できない事だろう。