【考察】「サイテーの上司」としてのイーロン・マスク

スティーブ・ジョブズもだけど、優しくて人格的に優れた人が起業家やリーダーとしても優れているわけではないw 安定した環境で仕事をしたいのか、不安定だけど偉大な何かに挑める環境で仕事をしたいのか。要は人それぞれの好み。

イーロンマスクさんにはアンチが多いようです。彼は失敗もするし過去には精神を病むような挫折も味わっていますが、結果を残しています。テスラの時価総額がそれを証明しています。私は、彼はいまの時代に必要な人物だし、愛すべき人だと思います。

丁度昨日、ネットフリックスで放送されているスペースXのドキュメンタリー映画「リターントゥスペース」を視聴したところです。その映画の様子を見ていると、どうもビジネスをしている途中のどこかのタイミングでイーロンマスクは人格が変わってしまったように思います。というのも、創業当初のイーロンを知っている人物のインタビューで彼はスペースXの社員を大切にしていたという旨の発言をしていました。確かに、その映画を見ていると信じられません。社員とハグをしたり、こまめに工場に来ていたり、資金難に陥った時にも可能な限り開発を続けてくれ、と言っていたり、表向きかもしれませんが「理想の上司」に近いイメージを受けます。しかし、映画後半、つまり最近に近づくと、少し目つきも鋭くなったように感じられ、なんか違うな、と違和感を映像から感じ取ることもありました。
なので個人的にはどこか（詳細なタイミングは分かりませんが）で彼が変わってしまったように感じてしまいます。ビジネスのその過激でストレスフルな環境が彼を変えたのか、それとも何か別の要因なのかはわかりませんが、元からこのような人ではなかったのではないか、という考えが僕のモノです。

皆さんご存じの日本の偉大な創業経営者たちも同じような逸話に枚挙に暇がない。その点は天は二物を与えないのは古今東西共通の不都合な真実。

成功する起業家こういう方多いですよね、それでもそのビジョンについていく従業員と部下がいるのでここまで会社を大きくしたんだと思います。

こだわりの強さも、性格的な凸凹も、アスペルガー症候群であることを公表している彼の特性だと思えば特に疑問も湧かない話だと思いますが。むしろ周囲が理解したり、ある程度割り切った付き合い方を構築しないと調整が難しい場面も少なくないと思います。

ちなみに何名か同じくアスペルガーであることを公表している社長を存じ上げてますが、事業規模や個人差は当然あれど似ている部分はあります。関心あることに対して突き抜ける力は時に度肝を抜かれますね。時に腹心達は辛そうですけど…。

個人的にはコミュケーションルールを整備して、社員も社長も"ルールなのでNG！"と言える環境を作ることが良いと思います。もっとも急速に企業拡大し今や世界一の富豪になってしまった彼に、その鈴を受け入れる理解や許容力があるかは分かりませんが。少なくとも外野がサイテーだどうだと言う話ではなく、彼ら自身が社内で考えるべき問題かなと。

ハラスメントに対する規定であったり、CEOの監視役としての取締役会がどういう風なモニタリングや指摘をしているのかが気になった。
個人的には、人間は完璧でないものだし、上司とリーダーは違うものの、一方で構造的に権力を持っている人へのガバナンスは組織としては重要だと思っている。

最近は経営者の間でもマインドフルネスが流行っていて、感情の起伏を抑えることの美徳はそれなりに共有されているような印象なのですが、それと真逆の傾向のようですね。実際に話したことがないのでこれだけで評価することは難しいですが。業績に加えて、個別の事例と総合的な言説の双方を照らし合わせて経営者は判断されるべきかなと思うので、自分自身も穏やかに生きられるように心がけたいと思います。

偉大な経営者に理想の上司になれというのは違和感があります。